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監督なし、部員だけで試合をする高校野球リーグ 福岡などに広がる

2022年7月2日17時00分

朝日新聞DIGITAL

 福岡県の高校野球に、監督なしで部員だけで練習試合をするリーグ戦ができた。成人年齢が18歳になる中、部員たちに主体的に考え、行動してもらうことがねらいだ。

 昨年7~11月、福岡県内の11高校9チームによる「FUKUOKA(フクオカ) LEAGUE(リーグ)」が初めて開かれた。監督らはベンチに座らず、指示を出さない。グラウンドの外で保護者と一緒に応援したり、対戦校の監督と語り合いながら観戦したりする姿もあったという。

 先発メンバーや選手交代、サインなどの試合運びは選手たちが考える。私立中村学園三陽(福岡市西区)は、永野佑真主将(3年)が先発メンバーの案を作り、ほかの3年生と話し合って決めた。

 捕手に抜擢(ばってき)したのが2年の村田壮志朗君。昨夏の全国高校野球選手権福岡大会は、2年生だった永野主将が捕手のレギュラーだった。永野主将が肩を故障したこともあり、「特に頑張っているから」と村田君を推す声が多かったという。

 新型コロナウイルスの影響で全体練習ができなかった時期、村田君は永野主将の自宅で一緒に練習しようと訴えたほど熱心に取り組んでいた。リーグでは「普段はやらないことにチャレンジしよう」と、セーフティーバントを試みて成功させた。投手をリードする力も認められ、今月3日に開幕した今夏の全国高校野球選手権福岡大会で正捕手として臨む。

 村田君のほかにも、盗塁が苦手と思われていた選手が思い切りのよいスタートで成功させるなど、永井孝裕監督(32)は「今まで見たことのなかった長所に気づいた」と話す。

 ベンチで監督役を務めた永野主将も「自分たちで考えた戦略がハマった時はうれしかった」と、野球の面白さを改めて知った。将来、母校の監督になりたくなったという。

 リーグ戦は、永井監督と県立城南(同市城南区)の中野雄斗監督(31)が大学野球部の同級生だった縁で始まった。中野監督は「トーナメントは1回負けたら終わりで、試合の経験値が少なくなる。リーグ戦だと、緊張感のある勝負を重ねることができる」。

 リーグ戦では、1ボール1ストライクのカウントから始める。打者は初球から打ちにいき、投手は厳しいコースを突く積極性を身につけるためだ。城南の西健太主将(3年)は「ストライクを見逃して追い込まれるより、どんどん打っていこうと考えるようになった」。今春、県外の強豪校との練習試合で接戦に持ち込み、中野監督は「選手たちの意識が変わった。成果が夏の大会で出てほしい」と手応えを感じている。

 リーグ戦の経験は、夏の大会に向けても生かされている。

 「今日はグダってきてるから、メニューを固めて練習しようよ」

 6月9日の練習中、中村学園三陽の永野主将は30人弱の部員を集めて呼びかけた。

 あらかじめ決めたメニューが終わり、残り時間をどう使うかは部員で考えてほしいと、永井監督は考えた。「動きが鈍くて声も出ていなかった。最初は個人練習にしようと思った」という永野主将。だが「メニューを決めてやった方がいい」という意見が出て、ポジションごとに決めて練習することにした。リーグ戦を通じ、部員同士のコミュニケーションがさらに深まったという。

 今年度のリーグ戦は選手権大会後の新チームで開かれる予定で、昨年度より参加校が増える見通しだ。複数のリーグを設け、勝ち上がったチームによるトーナメントをしたり、優秀な成績を挙げた選手を表彰したりすることも検討している。(布田一樹)

 ■全国各地に広がるリーグ戦

 中村学園三陽の永井監督と城南の中野監督が「FUKUOKA LEAGUE」の参考にしたのは、大阪府のNPO法人「BBフューチャー」理事長の阪長友仁さんが開いたセミナーだった。

 阪長さんは、大リーグ・パイレーツの筒香嘉智選手や西武の森友哉選手が所属していた少年野球チーム「堺ビッグボーイズ」の中学部の監督でもある。全国各地で海外の選手育成の取り組みなどを紹介し、その中でリーグ戦の良さについても語っている。

 阪長さんによると、昨年度の時点で東京や大阪など10を超える都府県に高校野球のリーグ戦がある。指名打者制を導入したり、試合後に互いのチームの選手が集まってプレーについて意見交換したりするところもあるという。

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