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3世代で夢に挑む高校球児 東奥義塾の工藤有寿主将

2022年7月1日16時35分

朝日新聞DIGITAL

 【青森】祖父、父、兄。3世代にわたる夢を、東奥義塾の工藤有寿(ゆうす)主将(3年)は背負っている。祖父も父も兄も、同校の野球部OB。3人とも、最後の夏は甲子園出場を果たせなかった。この夏は自分の番。「優勝して、みんなを甲子園に連れていく」。家族の思いを胸に、バットを振り続けている。

 弘前市の小中学校で野球に親しみ、高校は迷わず東奥義塾を選んだ。昨夏は2年生ながら4番打者を任され、この夏も打線の軸として期待されている。「自分が打って試合を決めるような、勝負強い打者になる。すべてはチームの勝利のため」と言い切る。

 悔しさをバネにしてきた。昨春の県大会の準決勝。延長十回表の守備で1点を勝ち越され、その裏の攻撃の2死満塁で打順が回ってきた。だが、レフトフライ。力んでしまい、期待にこたえられなかった。

 その反省から、打撃では余分な力を入れず、バットさばきで広角に打ち分ける練習に励んできた。どんな場面でも走者を進めるためだ。独特なのは5種類のトス打撃。片手で打ったり、逆手で握ったりして感覚を磨き、バットを自在にあやつる技術を身につけた。

 成果が出たのは、今年5月の練習試合。一回2死満塁からセンターに打ち返し、2点を先取してチームに貢献した。「冷静に配球を読んで、完璧に仕留めることができた」。夏への自信につながった。

 自分にとって、チームは二つあると思っている。一つは野球部の仲間たち。もう一つはOBの祖父、父、兄の家族だ。

 祖父の工藤長男(たけお)さん(74)は、孫の応援のために、自宅のある弘前市から八戸市の球場にまで駆けつける。チャンスで凡打に倒れると、「あそこで打てないようでは、まだまだだな」と発破をかける。手厳しいのは、期待の裏返しだ。

 長男さんが高校1年だった1963年の第45回大会、東奥義塾は甲子園に出場。チームに帯同し、甲子園練習に参加した。あの土を孫にも踏ませたいと願う。

 父の長寿(たけとし)さん(50)は息子の打撃を動画にとり、的確なアドバイスを送る。「軸足が回り切ってないな。打つ前に頭の位置も動いているぞ」。再生して確かめると、その通り。安定したフォームづくりを手助けしてくれた。

 仙台大学で学ぶ兄の幸寿(こうす)さん(21)は、高校時代に主将を務めた。同じ立場の弟が感じる重圧を思いやり、大会が近づくとLINEを送る。「いつも通り、気負わずにいけばいい」。さりげない言葉で背中を押してくれる。

 野球部は今年、創部100年を迎えた。節目の年の主将として、伝統に誇りを感じている。一方、甲子園への出場は81年の第63回大会を最後に、40年以上遠ざかったままだ。

 チームは新たな世紀に向かって、テーマを掲げている。それは「古豪から強豪へ」――。「昔は強かった、と言われるのが悔しい。このチームで甲子園に行って、今こそ強豪と呼ばれたい」

 仲間のために、そして家族のために、チームを引っ張っていく覚悟だ。

   ◎

 第104回全国高校野球選手権青森大会(県高校野球連盟、朝日新聞社主催)が7月8日、開幕する。参加する50チームのそれぞれに、仲間のために奮闘してきた高校生たちがいる。この夏にかける思いを紹介します。(渡部耕平)

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