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連合チームで10年出場の五日市 部員4人で「チーム初」を目指して

2022年7月3日07時00分

朝日新聞DIGITAL

 4人だけの練習は、雑談混じりで和やかな雰囲気だ。しかし、バットを振る音は「ブンッ!」と鋭い。鍛えられた身体の強さを感じさせた。

 JR五日市線の西の果て。五日市(東京都あきる野市)は、奥多摩の山々を望むのどかな土地にあり、練習試合ができる立派なグラウンドも備える。

 だが、選手は高橋羚太朗(りょうたろう)(3年)と梅津知陽(かずたか)(同)、青木光希(2年)の3人だけ。バッティングやノックなどの練習はマネジャーの川崎奈々美(3年)も加わって回している。第104回全国高校野球選手権西東京大会には東京農、八王子桑志、南多摩との連合チームとして出場する。

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 今から10年前の2012年、人数不足を理由とした連合チームの大会参加が初めて認められた。日本高野連によると、全国的に増加傾向にあり、12年夏は11チーム25校だったが、21年夏はほぼ10倍の107チーム309校だった。今年の東東京大会では6チーム20校、西東京大会では3チーム9校が出場する。

 五日市は都内で初めて、この制度を利用して夏の大会に出場した学校の一つ。それ以来連合チームとして出場し続けているが、残念ながら勝利はない。

 3年生は、コロナ禍まっただ中の20年春に入学した。緊急事態宣言が解除され、ようやくチーム練習ができたのは、夏の大会の直前だった。その後も感染の「波」が来るたびに部活動が制限され、仲間同士の会話も減った。21年春の都大会は1次予選が中止となり、公式戦の舞台もなくなった。何のために野球をしているのか、次第にわからなくなった。

 高橋と梅津は元々声が小さいのが悩みだ。連合チームの合同練習では、「声を出せ!」と他校の教員からも怒られる。チームのためとはわかっているが、「なぜできないことを何度も怒鳴るんだ」とも思った。

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 仲間や顧問の教員と話し合いを重ねる中で、高橋は思ったことがある。自分たちは明確な目標を持たずにきた、ということだ。改めて「公式戦1勝」を目標に定めた。

 普段の練習は平日4日、週末1日と、他校と比べて少ないわけではない。さらにモチベーションを高く保てるよう、筋トレや走り込みだけでなく、選手が楽しいと思えるボールを使った練習を積極的に増やした。「野球が好きだ」という気持ちを再確認できると、グラウンドでの選手の声も自然と大きくなっていった。

 野球好きの家族の影響で入部したマネジャーの川崎にとっても、これが最後の夏だ。同学年の高橋と梅津について「静かだけど、実は自分の意見をしっかりと持っているんです」と話し、「自分たちの個性を発揮して、悔いのない試合をしてほしい」とエールを送る。

 毎年部員不足の学校で、なぜ野球を続けてこられたのか。「仲間の存在と、マネジャーのサポートがあったから」。高橋と梅津は口をそろえた。

 練習試合では勝利する試合も出てきた。今大会で勝てば、五日市が参加する連合チームとしては初の夏1勝となる。チームの歴史を変える気概のほどを尋ねると、2人は顔を見合わせて笑った。「そこまでは、あんまり意識していないです」。等身大の高校生の表情だった。(狩野浩平)

 ■努力の成果を出し切って

 連合チーム助監督で五日市顧問の塩坂直教諭(33) 連合チームとしてまとまってきたかと思うと、感染拡大で部活動が制限されることの連続だった。3年生はいろいろなことを奪われてきた代だ。大会ができることに感謝して、努力の成果を出し切ってほしい。

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