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このお米、私が育てました 上郡の球児「大きくなりたい」と自給自足

2022年6月24日10時00分

朝日新聞DIGITAL

 【兵庫】加古川や揖保川など水に恵まれた播磨。酒米づくりやそろばんの製造など、全国に誇る産業が発展してきた。

 そんな播磨の球児たちは野球にいそしむ傍ら、授業などを通して自分たちの地域の発展を支えてきた産業に触れてきた。

 上郡(上郡町)の練習中、深沢琉生(るい)主将(3年)はやおらグラウンド脇のベンチで、大きなおにぎりをほおばり始めた。「すぐ食べられますよ」。そう言いながら数口で平らげ、練習へと戻っていった。この米、「自家製」である。

 播磨地方は県内でも特に稲作が発展し、酒造りも盛んだ。農業生産科がある同校の周辺には、学校が管理する田んぼがいくつかある。生徒たちが日本酒の元となる「兵庫夢錦」や食用米「きぬむすめ」などを栽培。田植えから収穫を手がけ、地元企業とコラボした日本酒「上高夢錦」も販売されている。

 昨年度は酒米と一般米で計約3トンを生産。その過程では、商品にはできない「くず米」も出る。そうした米を野球部が安値で買ったりもらったりし、練習の合間に食べているのだ。

 体作りのため、練習中などに選手がご飯を挟む「補食」を取り入れるチームは珍しくない。上郡が取り組みを始めたのは2019年秋ごろ。夏の大会で初戦負けが長く続いており、三輪剛大監督らが「体を大きくする必要があるのではないか」と考えた。農業科(当時)に相談して米を融通してもらうと、次の夏の独自大会では3回戦まで勝ち残ることができた。三輪監督は「ご飯の力もあったと思う」と手応えを語る。

 今年のチームは3年生は1人だけ。深沢主将は特に部員の体の小ささを課題の一つだと捉えていた。「もっと体が大きかったら今の打球はホームランになっていたのでは」「もっと大きかったら今の球は捕れるのでは」。練習試合で周りの選手を見ると、そんな場面が目立ったという。

 そこでチームは昨秋から今年の2月まで約半年間、平日は毎日マネジャーが計20合のお米を炊き、現在の2、3年生の選手7人で完食。休日などで一日練習がある日は何回もおにぎりを自分たちのタイミングで食べた。

 特に体が大きくなったのは有岡侑哉選手(2年)。昨夏は50キロ台前半だった体重が冬を越えて64キロになった。「連続ティーで前は途中で力が抜けて最後弱くなっていたのですが、振れるようになりました」と成果を感じている。

 農業生産科で学ぶ杉山大空(そら)選手(2年)の将来の夢は自分で作った食材を使う料理人になることで、今年から田植えに取り組む。自分が作った米を練習でみんなで食べることを想像し、「楽しみだしうれしいです。夢にもつながると思います」と話した。

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