聖光学院、好投手を打ち崩し4年ぶり優勝 春の高校野球東北大会
【福島】第69回春季東北地区高校野球大会(東北地区高校野球連盟主催、朝日新聞福島総局など後援)の決勝が13日、福島県営あづま球場であり、聖光学院は東北(宮城)に4―3で逆転勝ちし、2018年以来4年ぶり4回目の優勝を果たした。
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聖光学院がプロ注目の右腕を打ち崩し、4年ぶりの優勝に輝いた。
3点を追う五回、2死三塁の好機で打席には三好元気(2年)。だが東北の右腕伊藤千浩(3年)が投じた140キロの直球にバットが空を切った。斎藤智也監督は選手を集め、「(選抜では)近江の山田(陽翔)君を捕まえきれなかった。東北ナンバーワンの伊藤君を打てなければ何も残らない」と発破をかけた。
選抜大会準優勝の近江と2回戦で対戦。プロ注目の右腕山田に散発5安打で敗れた。「好投手をいかに打ち崩すか」が課題だった。
この日も伊藤の直球に苦しんだが、七回に打線が奮起。犠飛で1点を返し、なおも2死二、三塁。バットを短く握った三好が適時打を放ち、追いついた。続く山浅龍之介(3年)もバットを短く握り、直球をはじき返した。
山浅は「伊藤投手も山田投手のように高めの直球に力があり、高めを捨てて振っていった」と話した。
エース頼みだったチームは、準々決勝で4失点したエースを打線が援護し、サヨナラ勝ち。準決勝では延長の激闘を制した。決勝では選抜で突きつけられた課題を克服し、優勝をもぎ取った。試合を経るごとに成長してきた選手たちに、斎藤監督は「収穫のある試合だった」と目を細めた。
山浅は「ビハインドの展開が多い中で負けなかったのが収穫。優勝はいったん置いて、夏の日本一に向けて新たなスタートを切りたい」。目線はすでに次の戦いに向いていた。(滝口信之)