上田西、終盤の反撃及ばす準優勝 高校野球北信越大会
【長野】第146回北信越地区高校野球大会(北信越地区高校野球連盟主催)は7日、福井県で決勝があった。春秋通して初の優勝を目指した上田西は乱打戦の末、日本航空石川(石川1位)に5―10で敗れた。日本航空石川は春の大会初優勝。
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「打った瞬間、行ったと思った。体もデカい。えぐかった……」
上田西のベイグミルザ・ダナ(3年)は、日本航空石川のプロ注目の4番、内藤鵬(ほう)の本塁打を振り返った。身長体重もほぼ互角、役割は同じ「4番サード」。敗れはしたが、夏の選手権大会前、最後となる公式戦を3打席連続中前安打で終え、同じ大型サードとして存在感を示した。
ライバルを意識して臨んだ一戦だった。ベイグミルザは身長183センチ、94キロ、高校通算本塁打は3本。内藤は180センチ、100キロ、47本。本塁打では及ばないが、主軸としての自負がある。自身が起点になり3点を奪った八回、相手エース、大久保真夢をマウンドに引きずり出した。
最終回、140キロ台を誇る大久保の直球をコンパクトに捉えて中前へ。脱力しようと昨冬に身につけた、バットを肩に担ぐフォームで、最後まで好機を演出した。
長野市出身、父はパキスタン人。よくチェックしているメジャーリーグの選手のように、この日の守備ではボテボテのゴロを素手でさばく器用さも見せた。
「県大会では活躍できなかった」が、北信越大会ではしっかり復調してみせた。「チャンスで1本打つことが4番の役割。エースから打てた経験や、内藤君からの刺激を夏に生かしたい」と誓った。(高億翔)