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8カ月前の苦い経験がヒント 王者の連勝止めた智弁和歌山の「奇策」

2022年5月30日06時30分

朝日新聞DIGITAL

 (29日、春季高校野球近畿大会決勝 智弁和歌山3―2大阪桐蔭)

 奇策だった。

 近畿王者をかけた大阪桐蔭との決勝。智弁和歌山の先発マウンドに上がったのは、今大会初登板、背番号20の2年生左腕・吉川泰地だった。

 一度沈み込む独特の投球フォームから、ベースの両端へ丁寧に投げ込む。強力打線を相手に3回2失点と踏ん張ると、スパッと代わった。

 四回は身長190センチ右腕の西野宙が角度のある直球を投げ下ろし、五回は技巧派左腕の橘本直汰が90キロ台のカーブを低めに集めた。

 1点リードのまま、六回からはプロ注目の最速148キロ右腕・武元一輝がマウンドへ。「みんながつないでくれた。思いきって腕を振ろうと、強気にいきました」

 それまでの投手とは一転、打者の胸元へ球威のある直球をぐいぐい投げ込む。最後まで投げきり、被安打3で無失点。逃げ切った。

 今春の選抜王者を相手に、タイプの違う4投手の継投がはまった。

 中谷仁監督の狙いはこうだった。

 「あの打線を一人で抑えるのはなかなか難しい。打順ひと回りや1イニングで投手を交代して、打者の目先を変えながら勝負するのが有効だと思った」

 そして、続けた。「昨日、今日、考えついたというわけではありません」。大阪桐蔭戦に向けて、温めていた作戦だったというのだ。

 8カ月前の実体験が教えてくれた。

 昨秋の和歌山県大会準決勝、和歌山東戦だ。チームは夏春連続の甲子園優勝をめざしていたが、小刻みに継投してきた3投手を打ちあぐねた。終盤は、ボール球に手を出す場面も増え、相手の思うつぼに。最後まで1点が届かず、4―5で逃げ切られ、選抜出場が断たれた。

 この日、16年ぶりに春の近畿を制し、主将の岡西佑弥は誇らしげだ。「継投で逃げ切るためには、いつも以上に先取点が大事になると思った。相手を焦らせ、理想通りの展開に持ち込めました」

 大阪桐蔭の西谷浩一監督も脱帽するしかなかった。「継投になかなか対応しきれなかった。もう少し対応力を身につけないといけない。どんな投手でも、もっといろんな攻撃ができないといけない」

 大阪桐蔭の昨秋からの公式戦連勝は29で止まった。

 王者に初めて土をつけ、岡西は言った。

 「『桐蔭を止めるのは俺たちだ』とみんで言い合ってきた。夏2連覇に向けて自信になりました。僕たちにも意地がある」

 昨秋の苦い敗戦は、春の歓喜につながった。(山口裕起)

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