聖光学院が2年連続の優勝 春季高校野球県大会
第74回春季東北地区高校野球福島県大会(県高校野球連盟主催)は22日、白河グリーンスタジアム(白河市)で決勝があり、聖光学院が6―2で光南を破り、2年連続12回目の優勝を果たした。3位決定戦は学法石川が勝利した。上位3校は6月に県内で開かれる春季東北地区大会に出場する。
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聖光学院の小林剛介(3年)が2連覇をたぐり寄せる好投をみせた。
一回、相手打線の3番に適時打を許し、なお1死二塁のピンチ。4番を迎え、マウンド上の小林は「打たれるのを嫌がってボールが先行するのはやめよう。打たれたらしょうがない」と自らに言い聞かせていた。得意のチェンジアップで内野ゴロに打ち取ると、その後のピンチも切り抜け、最少失点で防いだ。
今春の選抜高校野球大会に出場した聖光学院。投手陣の中心はエース佐山未来(3年)だ。佐山は選抜1回戦で3失点完投、今大会も準々決勝で1安打完封するなど絶対的エースだ。
一方、小林は選抜大会後、自分の投球を見失った。練習や練習試合で持ち味の制球力やテンポの良さは影を潜め、ストライクが入らないことが続いた。今大会も2回戦で2番手として登板したが、1回を投げて被安打2、与四死球1、失点1だった。
迎えた決勝。先発を告げられたのは球場に到着してから。「失うものはない。打たれるなら派手に打たれよう」と臨んだマウンドで躍動した。直球と変化球を低めに集めてストライクを先行させ、捕手から返球を受けるとすぐに投球動作に入るテンポも戻った。5回を投げ被安打5、2失点でマウンドを佐山に譲った。
試合後、斎藤智也監督は「良さが戻り、上々と言ってもいいかな」と評した。それでも小林は「もっと投げたかった」と悔しそうな表情を浮かべ、「夏に向け、佐山を越える気持ちで練習に励みたい」。
昨秋、今春と県大会を制した「絶対王者」に頼もしい投手が加わった。(滝口信之)