上田西が優勝、北信越大会へ 春の高校野球県大会
第146回北信越地区高校野球長野県大会(春季)は22日、綿半飯田野球場で決勝があり、上田西が篠ノ井を9―8で破って優勝した。上田西の県大会優勝は、2019年秋以来3年ぶり8度目。同校は、6月4日から福井県である北信越大会に出場する。決勝に先立って行われた3位決定戦では岡谷南が伊那北を下した。
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捕手として、何度も何度もマウンドに駆け寄った。「何回行ったのか……覚えてないです」と笑う。
決勝で計4人の投手をリードした上田西の小川隼弥主将(3年)は、昨春出場した選抜大会でもマスクをかぶった猛者だ。攻守でチームを引っ張り、勝ち越し点を呼び込んだ。
八回裏1死。前のイニングで5点差を追いつかれ、嫌な空気が漂ったが、冷静だった。「打てる球を打とう」と右前安打で出塁。その後、三塁に進み、犠飛で決勝のホームを踏んだ。この日は3安打1打点。5打席で4出塁2得点と、中軸の役割を果たした。
「今日は継投で行くつもりだった」と吉崎琢朗監督。言葉通り、投手4人をつぎ込んだ。投手への声かけを大事にする小川主将は、ピンチの場面で何度もマウンドへ。4人にそれぞれ声をかけ、話したのは「腕を振ろう」だった。「置きに行って打たれたくなかった」
準々決勝、準決勝と、1点差の試合を勝ってきた自負がある。だから1点リードの九回表1死二、三塁のピンチでも「四球でもいいから厳しく行こう」と投手に声かけできた。
4人目の高梨匠投手(3年)がしっかり腕を振って2者を打ち取り、試合を締めた。小川主将は「実績がないチームなので、北信越でどこまで行けるか試したい」と思っている。(高億翔)