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球児の「野球をやり切る」支えたい 愛媛県高野連・井上新会長に聞く

2022年5月12日10時00分

朝日新聞DIGITAL

 「甲子園の印象は、真っ白だった」。4月、愛媛県高校野球連盟の新会長に就いた松山商校長の井上伸二さん(58)。夏の甲子園に主将、監督として出場した。球児だった頃の夢舞台を、こう振り返る。

 1981年夏、今治西主将として甲子園に出て、ベスト8に進出した。国学院久我山(西東京)、新発田農(新潟)に勝ち、準々決勝へ。4番エース金村を擁し、優勝する報徳学園(兵庫)に1―3で敗れた。

 「三塁手で、送りバントの送球をうまく捕れなくて野選になった。捕れたらアウトだったと思う。そのまま失点して、自分のミスで負けた。その時、シャツの色で報徳のスタンドが真っ白で、球場全体がそのイメージになった」

 夏の幕切れは、ほろ苦いものだった。だが、「最後の夏に甲子園に行けて、3試合もできた。挫折からの成功を後輩にも伝えたいと、大学に進学して教員を目指した」。

 2000年夏には、監督として丹原を初の甲子園出場に導いた。赴任12年目だった。思い起こされるのは、愛媛大会の決勝戦後のスタンドだ。

 「愛媛大会で優勝して、『井上』コールが起きた。『ついてこい』と選手に言い、厳しい練習をしたが、涙で終わることを11回繰り返していた。そのOBたちがスタンドで『井上』と連呼してくれて。後輩がやり遂げ、先輩も喜んでいて『信じ続けてくれてありがとう』と思った」

 甲子園では、初戦で光星学院(青森)との打撃戦に8―10で敗れた。戦いぶりは、阿久悠さんの詩で「甲子園を わが庭のようにして駆け巡り 興奮の坩堝(るつぼ)とさせた少年たちよ 胸を張り 凱旋(がいせん)し給(たま)え」などと称賛された。

 「甲子園では緊張しなかった。田舎の未完成のチームが、泥だらけで駆け回った。勝てなかったけど、やるだけのことはできた」と言う。丹原の後、松山北、伊予でも監督を務め、計27年指導した。

 今回会長になり、6年ぶりに高校野球に携わることになった。体罰の根絶を図るという。「体罰や指導者が原因で野球が嫌になってやめることがあってはならない。指導者が『自分たちはこうだった』を持ち込んでは根絶できない」と訴える。

 近年、球児を守る改革が進む。今年からは降雨などによるコールドやノーゲームをなくす「継続試合」が始まった。

 「これまでドロドロになってから降雨コールドになることがあった。選手の最後の思い出がグチャグチャになってしまう。失敗も批判もあるかもしれないが、ドロドロになる前に、勇気を持って判断をしたい」

 一方、野球の裾野を広げるため、県高野連は、中学生対象の「硬式ボールに親しむ会」を開いてきた。井上さんは「ボール遊びから野球を好きになって欲しい」と言い、今後は小学校低学年を対象に、台に載せた軟らかいボールをバットで打つティーボール教室を県全体に広げる考えだ。

 少子化が進み、高校野球を取り巻く環境が変化する中での会長就任。井上さんは「球児が主役。野球に取り組む子どもたちに最後までやりきらせてあげたい」と話している。(三島庸孝)

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