啓新が2度目のV 福井工大福井に逆転勝ち 春季福井県高校野球
春季の北信越地区高校野球福井県大会(県高校野球連盟など主催)は5日、福井市の県営球場で決勝があり、啓新が福井工大福井に7―3で逆転勝ちし、2017年大会以来5年ぶり2度目の春季優勝を飾った。両校と4強に進んだ丹生、敦賀工を加えた4校は、6月4日から県内で開催される北信越地区大会に出場する。(長屋護、柳川迅)
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啓新が終盤の5連打で逆転勝ちした。八回、先頭の代打吉田が四球を選ぶと、田中の右越え二塁打で無死二、三塁とし、須藤の右前安打で逆転。さらに加藤の右越え三塁打で2点を加えるなど一気に突き放した。福井工大福井は一回に先頭の石崎が安打で出塁すると、2本の犠打などで先制。七回には内野安打と敵失の間に勝ち越したが、二、三、九回の満塁機を生かせず、残塁が目立った。
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1点を追う八回裏の啓新。無死二、三塁の好機に、今大会の初スタメンに起用された5番須藤源斗(みなと)(3年)が打席に入った。
この日は、それまでの3打席とも得点圏に走者を置いた場面で打順が回っていた。だが、第2打席で四球を選んだ以外は、フライに打ち取られていた。
「この打席こそ打つ」
内角直球を振り抜くと、打球はつまりながらも右前へ。二塁走者も生還し、4―3と逆転した。
昨秋の大会は一塁のレギュラーだったが、今大会は打撃好調の後藤優太(3年)にポジションを奪われた。決勝までの3試合で出場したのは代打の1打席のみ。結果を残せなかった。「出番に備え、できることを100%やった」。特に持ち味のフルスイングを大切に練習してきた。
チームは、昨秋の県大会決勝で福井工大福井に0―18と大敗していた。「この試合は負けたくないと全員思っていた」と高橋樹生主将。初回に先制され、追いついても勝ち越される展開だったが、須藤の一打で勢いづき、雪辱を果たした。
「チームの勝利に貢献できてうれしい。北信越大会でも泥臭く頑張りたい」と須藤は意気込んだ。