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ドラ1小園投手との比較「何とも思わない」 市和歌山・米田の自負心

2022年3月31日12時58分 朝日新聞デジタル

 第94回選抜高校野球大会で、昨春を上回る8強入りを果たした市和歌山。サヨナラ勝ちあり、強豪校を相手に大敗あり――。大会を通じて取材した記者が見たチームの姿を振り返った。(国方萌乃)

 開幕1週間前の3月11日。私は学校のグラウンドでエースの米田天翼(つばさ)投手(3年)に問いかけた。

 昨年のバッテリー、小園健太投手(DeNA)と松川虎生捕手(ロッテ)はそろってドラフト1位でプロ入りした。今年のチームを紹介するときも2人の名前があがり、なかでも、米田投手は小園投手との関係を問われる場面がめだった。

 「小園君のことばかり聞かれてイヤじゃないの?」

 米田投手は「何とも思いません」とさらり。「小園さんに育ててもらって、ここまでこられたのは間違いないんで」

 共に練習し、様々なことを教わったという。そのなかで、小園投手はイメージをすぐに体現できるが、自分は何度も投げ込まないとできない、とわかった。「小園さんより練習しないといけない。練習量では負けていないと思います」

 それから10日ほどが経った23日。1回戦の花巻東(岩手)戦を、私は記者席から見ていた。

 米田投手は、高校通算56本塁打で今大会注目の打者・佐々木麟太郎選手(2年)にまっこう勝負を挑んだ。直球を投げ、空振り三振にねじ伏せると、満面の笑みでうしろの守備陣を振り返った。

 そのとき、わかった。彼は、打者との勝負を心のそこから楽しんでいる。小園投手と比べられることなんて気にならないほど夢中だし、その声を寄せつけないぐらいに努力を重ねてきた自負があるのだと。

 チームは1回戦を5―4で競り勝ち、2回戦は明秀日立(茨城)に2―1でサヨナラ勝ちで8強入りした。米田投手はいずれの試合も完投した。

 そして、4強をかけた28日の大阪桐蔭戦。米田投手は五回途中から登板し、六回に3本塁打を浴びた。スタンドに飛び込むボールを目で追ったあと、マウンドでひざに手を当て、下を向いた。

 0―17。試合後、自身の投球を「(本来の)1割にも満たない」と振り返った。

 力の差を見せつけられられ、自分への信頼さえ失っているようだった。

 この日、1安打に抑えられた野手陣も悔しそうだった。1、2回戦で計6安打を放った4番寺田椋太郎選手(3年)は無安打に終わり、「自分たちのレベルの低さを感じた」。捕手の松村祥吾主将(3年)も「スイングの速さや守備が全体的に劣っている」と語った。

 チームが当初の目標に掲げた2勝を果たし、昨年を超える成績を残したのは間違いない。この数週間でチームは喜びも苦渋も味わった。

 この悔しさを振り払うため、彼らはこれから、どれだけの努力を自分に課すのだろう。私は、夏にたくましくなったチームの姿を、ふたたび強気に投げる米田投手の姿を、待っている。

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