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斎藤佑樹さんが浦和学院へ 監督から教わった「叱るリスクと必要性」

2022年3月26日19時00分

朝日新聞DIGITAL

 ■斎藤佑樹「未来へのメッセージ」 浦和学院へ

 プロ野球を引退した後、指導者という選択肢について考えました。

 やるか、やらないか。できるのか、できないのか――。

 思いを巡らせているとき、早稲田大学時代の後輩の名前が思い浮かびました。

 森大(だい)(31)。今春の第94回選抜高校野球大会で8強一番乗りを果たした浦和学院(埼玉)の監督です。

 大学時代、2学年下の大さんは投手陣の仲間で同じ教育学部の後輩でした。優しくて、先輩にも後輩にも慕われていました。

 そんな彼が僕より若くして監督となり、昨秋の関東大会は4強に入り、選抜出場に導いたことを率直にリスペクトしています。大会前、話を聞きにいきました。

 浦和学院といえば、関東屈指の強豪校のイメージがあります。2006年、僕たちの早稲田実業が西東京代表として出場した第88回全国選手権大会でも、埼玉の代表でした。

 長く率いてきたのが、昨夏を最後に退任した父・士(おさむ)さん(57)です。

 部長だった大さんは昨秋の新チーム発足から、バトンを託されました。

 監督としての重圧について尋ねてみると、「選手たちも、私を信じてプレーしています。本当に重い仕事だなと感じています」と返ってきました。

 ノックや打撃練習で選手は真剣そのものでした。ワンスイングに全力で、ノックでも丁寧に最大限のプレーをしていました。

 浦和学院はこうやって強豪校になったんだ、と実感しました。

 意外だったのは、そのなかで、選手に厳しい言葉をかけている大さんの姿でした。

 大さんは社会人野球の三菱自動車倉敷オーシャンズでプレーした後、指導者になるために大学院に入って心理学を学び直したといいます。

 名刺の肩書には「硬式野球部監督」に加え、「心理カウンセラー」と記されています。

 彼は叱る行為のリスクを学んだ上で、「育成の中で厳しさは必要」と感じているそうです。

 「大変です」とも漏らしました。選手たちをどう導けば、将来に生きるのか――。常に考えているそうです。

 部活動改革や働き方改革の一環で、指導者の負担軽減が課題になっています。

 一方、大さんや士さんのように、自分の人生を捧げて選手を育て、愛情を持って厳しく接する指導者の姿勢が高校野球を支えてきたものの一つであると、改めて感じました。

 「超攻撃型野球を体現したい」。そう語って監督として初めての甲子園に臨みました。

 浦和学院は19日の開幕試合に登場し、4―0で大分舞鶴に勝ちました。

 僕は甲子園では大さんが緊張すると思っていました。初々しさを期待していた部分もあります。

 想像はいい意味で裏切られました。序盤、点が入らない緊張感のある展開でしたが、彼は堂々としていました。冷静に選手へ声をかける姿は本当にかっこよかったです。

 24日の2回戦は和歌山東と対戦しました。7―0で快勝したこの試合からはチームとしての完成度の高さを感じさせられました。

 投手力、打撃力、走塁技術、全てにおいて高いレベルで野球をしているな、と。一人一人が自分の役割をしっかりこなしているから隙がなく、相手チームへのプレッシャーも大きかったと思います。

 就任1年目でこんなチームを作り上げたことに改めて驚かされました。

 準々決勝の相手は優勝候補の一角、九州国際大付(福岡)です。強力打線に対して、ここまで無失点で勝ち上がった浦和学院がどんな戦いぶりを見せてくれるのか、楽しみにしています。(バーチャル高校野球フィールドディレクター・斎藤佑樹)

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