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高校通算56発の佐々木を封じた直球 市和歌山・米田、成長示す熱投

2022年3月23日13時46分

朝日新聞DIGITAL

 (23日、第94回選抜高等学校野球大会1回戦、花巻東4-5市和歌山)

 自慢の直球で勝利をつかんだ。

 市和歌山の右腕・米田天翼(つばさ)は一回、いきなりピンチを迎えた。

 先頭打者にストレートの四球。2番にバント安打で無死一、二塁。打席には花巻東の3番・佐々木麟太郎を迎える。2年生ながら、高校通算56本塁打を誇る大会屈指の左打者だ。

 「気持ちで押し切っていこう」。力んで球が浮き気味だったが、ひるまない。内角を攻める。8球目、140キロの直球でバットに空を切らせた。

 「いける」。手応えを感じた。

 相手の花巻東は佐々木に加え、4番・田代旭も高校通算40本塁打超と長打力のある左打者が並ぶ。昨秋の公式戦14試合で14本塁打、147得点を挙げ、東北大会を初めて制した。

 この強力打線をいかに抑えるか。半田真一監督(41)は、「腕が伸びると打球は飛んでいく。内角を使っていけ」とバッテリーに指示を出した。

 米田も動画を見て相手打線を研究したり、3学年上でOBの兄に助言を求めたり、抑えるイメージを膨らませてきた。

 米田は序盤こそ球が上ずったが、佐々木に対して内角への力強い直球で押し込んでいく。

「持ち味の直球で素晴らしい打者と勝負したい」

 第2打席は直球を4球続けて空振り三振。第3打席は145キロで詰まらせて三飛、第4打席は143キロで一ゴロ。注目の左打者を力でねじ伏せ、流れを引き寄せた。

 佐々木は「まっすぐを見せて、変化球で打ち取ると予想していた。まっすぐに伸びがあって、打てなかった。ふがいない」とうなだれた。

 甲子園の登板は2回目だ。

 背番号10で臨んだ昨春の選抜大会。2回戦の明豊(大分)戦で先発したが、4回1失点。四回に甘く入った直球をとらえられ、一発を浴びた。

 「思い切って直球を投げ切れなかった。去年よりも成長した姿を見せたいし、エースとしてチームを勝たせたい」

 悔しさを糧に、背番号1で再び上がったマウンドだった。

 九回につかまり1点差に迫られたが、最後も自慢の直球で左邪飛に仕留めて試合を締めた。

 「今年は直球を思い切って投げ込むことができた」と胸を張る。

 確かな成長を感じた153球だった。(佐藤祐生)

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