スポブルアプリをダウンロードしよう

  • Sportsbull Android App
  • Sportsbull iOs App

すべて無料のスポーツニュース&動画アプリの決定版!

QRコードを読み込んでダウンロード

Sportsbull QRCode

タイブレークの悪夢振り払った木更津総合 好守で山梨学院も苦肉の策

2022年3月21日15時09分

朝日新聞DIGITAL

 (21日、第94回選抜高等学校野球大会1回戦、木更津総合2-1山梨学院)

 思わず、二度見したという。

 打席へ向かう木更津総合の3番菊地弘樹は、ぽかんとした表情でベンチを振り返った。67歳のベテラン・五島卓道監督も驚きを隠せない。「相手の守備陣形が特殊だったので、サインを切り替えました」

 1―1で迎えた延長十三回裏。無死一、二塁から始まるタイブレークで、山梨学院は中堅手の岩田悠聖を投手と一塁手の間に守らせ、右翼手が中堅の位置へ。「内野5人シフト」を敷いてきたからだ。

 五島監督は強攻策に打って出る。送りバントのサインから一転、菊地へ、がら空きの右翼方向を狙って打つように指示を送った。

 山梨学院の狙いは、こうだった。バントを処理して三塁で封殺、もしくは中堅から左方向で打ち取る。そのため、投手は内角に投げる。「相手の打ちミスにかける作戦」と吉田洸二監督。タイブレークを見据えて、練習や練習試合でも試してきた陣形だった。

 初球。菊地が内角球をたたくと、打球は左翼へ上がった。相手の術中にはまったかに思えたが、この飛球で二塁走者の山田隼がタッチアップして三塁を陥れ、一、三塁に。五島監督が「好走塁。よくミスをカバーしてくれた」と言えば、「三塁まで行かれなければ大成功だったのに」と吉田監督が嘆く。

 次打者は申告敬遠で、1死満塁。押し出しの四球で息詰まる投手戦が決した。

 この苦肉の作戦は、直前の木更津総合の好守備がもたらしたものだった。

 同じく無死一、二塁から始まる十三回の山梨学院の攻撃。先頭打者のバントを投手の越井颯一郎が素早いダッシュと好判断で、三塁封殺。次打者は外角の変化球で二ゴロ併殺に仕留め、無失点に。相手から見れば、1点もやれない状況をつくった。

 試合を通しても、木更津総合は無失策だった。

 秋の公式戦で11試合で10失策したチームは、冬場に守備練習に時間を割いた。2人組でゴロを転がし合って素手で捕る地味な練習を繰り返し、地道に基礎を築いた。「守り勝った。よく耐えた」。五島監督は、たたえた。

 チームは、タイブレークに苦い思い出があった。昨夏の千葉大会決勝で延長十三回タイブレークの末に専大松戸に敗れた。最後にサヨナラ満塁本塁打を打たれて甲子園出場を逃し、「タイブレーク恐怖症」になっていたという。

 166球で完投した越井は満面の笑みで言った。「この日のために先輩たちはあんな試合をしてくれたのかなと。先輩たちの分まで絶対に勝つんだと、タイブレークでも自信を持って投げました」

 6年ぶりの選抜。同じ関東地区のライバルに競り勝って、悪夢を振り払った。(山口裕起)

関連記事

アクセスランキング

注目の動画

一覧へ