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和歌山東・顧みて 歴史に刻む1勝 魂込めて一丸

2022年4月1日10時00分 朝日新聞デジタル

 和歌山東は春夏通じて初出場した甲子園で野球部の歴史に刻む1勝を挙げた。第94回選抜高校野球大会を取材した記者の目に映ったのは、選手一人ひとりが役割を理解し、チーム一丸で相手に立ち向かっていく姿だった。

 彼らの目指す野球とはなんなのか。記者は年明けから、毎日のように和歌山東のグラウンドを訪ねた。

 選手たちや監督を取材していて、分かったようで分からない言葉があった。

 「魂の野球」

 昨秋の県大会で強豪・智弁和歌山と戦う前日に、米原寿秀監督(47)が選手たちにかけた言葉だった。いつしかチームのスローガンになっていたその言葉を、此上平羅主将(3年)ら選手はよどみなく口にした。

 なぜ「魂の野球」なのか。「成功体験の少ない子どもたちが多い。けれど、生まれ持った魂はこんなものじゃない。もっとできるんだ」。米原監督は記者の質問にそう答えた。

 3月19日、迎えた倉敷工(岡山)との1回戦。序盤は思うように得点できず苦しんだが、投手陣が粘った。

 エース麻田一誠投手(3年)は、「点を取ってくれるまで自分が抑える」と八回途中まで1失点。八回1死一、二塁のピンチには「自分は速球派じゃない。緩急つけて打たせてとる」と、田村拓翔投手(同)が好救援する。延長十回1死一、二塁、右翼から山田健吾選手(同)が登板して再びピンチをしのいだ。

 1―1で迎えた延長十一回。ようやく打線が投手陣に応えた。三塁手の後方にしぶとく落とす安打など長短打を集めて7得点。その気迫は記者席まで届いた。

 ふと振り返れば、「プレーでは引っ張れない。伝令やベンチから気持ちを伝えるのが自分の役目」と話していた岡田大志副主将(3年)らベンチにいる選手たちは、この試合も声を張り続け、仲間を鼓舞していた。

 選手全員が今この瞬間にできることを全うする。決して根性論ではない。それが和歌山東の「魂の野球」なんだ。そう思った。

 目標の8強入りをかけた24日の浦和学院(埼玉)戦は、相手投手のキレのある球に苦しめられた。結果は0―7の敗戦。それでも、六回に瀬村奏威捕手(3年)が一塁まで懸命に走って、この試合のチーム初安打となる内野安打。守備では、中川大士選手(同)がライナーをダイビングキャッチした。

 試合後、此上主将は悔しさを口にしたが、すぐに「一球の怖さ、大切さを学んだ。もう一度この舞台にかえってきて、ベスト8を達成したい」と前を向いていた。

 米原監督は「全国のレベルを体感できた。夏に向けて一生懸命やろうかと、選手たちに声をかけたい」と話していた。

 夏は、この選抜大会で8強入りした市和歌山、智弁和歌山など強敵が待ち構える。甲子園での経験を糧に、さらに成長した和歌山東を楽しみにしている。(下地達也)

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