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心一つに、笑顔のデビュー戦 和歌山東、あきらめなかった創部

2022年3月1日10時00分 朝日新聞デジタル

 「レッツゴー・ヒガシ」「かっとばせ!」

 2010年夏、和歌山東は硬式野球部になって初の公式戦を迎えた。紀三井寺球場のスタンドからは、大太鼓と手拍子に合わせ、選手たちを鼓舞する声が響き渡った。

 強豪・智弁和歌山を相手に、和歌山東の先発・生島拓投手が力投。四回には松裏朋也選手がチーム初安打となる二塁打を放った。

 創部案がもちあがったのは、2005年。当時はPTA会長で、現在は野球部の特別後援会の会長を務める西山義美さん(65)らの「硬式野球部をつくって紀三井寺に応援に行けば、生徒の心がひとつになるかもしれない」との思いからだった。

 ところが、創部案は多くの教職員から反対された。当時、学校には派手な髪色をしたり、制服を着崩したりする生徒もいて、スタンドがテレビ中継されて「見た目だけで判断される」との理由だった。

 西山さんは、「向き合えば、生徒たちは皆良い子たちばかりだ」と創部をあきらめなかった。09年に校長に就任した萩原勝則さん(66)は西山さんを後押しした。「(生徒たちは)『困った子』やない、『困っている子』や」

 10年4月、硬式野球部が立ち上がった。ボールはあちこちから譲り受けた。防球ネットもなければ、ベンチもなかった。グラウンドには雑草が茂っていた。それでも、西山さんや萩原さんら創部に関わったひとたちには、元気なかけ声や「キーン」という金属バットの打球音が響き渡る、活気あふれた未来がみえた。

 創部と同時に米原寿秀・現監督(47)が就任した。公式戦デビューの数日前、「20点以内におさえるよう練習してきた。かなったらほめてやってください」と周りに話していた。

 試合は四回と五回に智弁和歌山打線の連打を浴びた。0―11の6回コールド負けだった。

 しかし、西山さんの目には、最後まで戦い抜いた選手たちの姿を見て、スタンドで喜ぶ生徒たちの笑顔が映っていた。

 この春、チームは甲子園でプレーする。西山さんは、「夢みたい。どんな野球を見せてくれるか楽しみです」。(下地達也)

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