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生徒86人の只見、豪雪乗り越え選抜出場 練習重ねた体育館で吉報

2022年1月28日19時30分

朝日新聞DIGITAL

 第94回選抜高校野球大会(日本高校野球連盟、毎日新聞社主催、朝日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)の出場校が28日決まり、球児や地元の人たちから喜びの声が上がった。

 「21世紀枠での出場が決定しました」。校長からの知らせを聞くと、体育館に集まっていた只見(福島県只見町)の部員たちは跳び上がって喜んだ。吉津塁主将(2年)は「素直にうれしいです。僕たちを支えてくれた保護者や町民の方々に感謝します」と笑顔を見せた。

 只見がある奥会津地域は過疎化と少子高齢化が県内でも特に進み、生徒数はわずか86人、野球部員はマネジャーを含めて15人だ。冬は積雪3メートルにもなる有数の豪雪地帯にあるため、例年11月後半から4月上旬の約4カ月間はグラウンドが雪に覆われて使えない。それでも体育館などで工夫した練習をしてハンデを乗り越え、昨秋の県大会では春、夏、秋を通じて初の8強に進出。21世紀枠の候補に入り、初出場をたぐり寄せた。

 約4千人の町民の半数近くを65歳以上が占める只見町は、只見に町外の生徒を受け入れる「山村教育留学制度」を2002年から始め、これまでに約200人を受け入れてきた。野球部でも現在、マネジャーを含めて4人がこの制度を使って学び、町が運営する寮で生活している。

 山村留学で進学した室井莉空(りく)選手(2年)は「親と寮の方に感謝の気持ちを伝えたい」。吉津主将は「町外から選手が来ることでいい刺激をもらえている」と話す。

 選手の中には、2011年7月に只見町を襲った新潟・福島豪雨で被災した生徒もいる。只見町を通るJR只見線は今も一部区間で不通が続き、全線での運行再開は今秋の予定だ。

 会津地区からの甲子園出場は、1959年選抜大会に出場した会津以来。只見の長谷川清之監督(55)は「きのうから落ち着きませんでしたが、肩の荷がおりました。甲子園では、いつも通り自分たちのできることをやっていきたい」と話す。

■島の学校 実力でもぎ取った切符

 鹿児島県奄美市の大島は、2014年以来8年ぶりの選抜出場。14年は「21世紀枠」で選ばれたが、今回は離島勢として初めて県大会を制し、九州大会準優勝という文句なしの成績で、「島から甲子園」という夢を自力でつかみ取った。

 奄美大島にある県立高校で、1、2年の野球部員32人はほとんどが奄美群島の出身。島の人たちも大いに盛り上がっている。チームの中心は最速146キロの左腕エース、大野稼頭央投手(2年)。昨夏の鹿児島大会でチームを8強に導き、秋の県大会では全試合を投げ、6試合中4試合でサヨナラ勝ち。準決勝と決勝はいずれも延長タイブレークの末に勝利するなど、粘り強さが持ち味だ。九州大会でも初戦相手の大分舞鶴を引き分け再試合で下し、勢いに乗った。

 この日、黒木哲二校長から「選抜決定」を伝えられた選手たちは顔をほころばせて喜びあった。武田涼雅主将(2年)は「粘り強い野球で、ベスト8以上をめざしたい」と目標を語り、塗木哲哉監督は「甲子園で勝って、島の人たちに恩返しがしたい」と話した。

■クラーク国際 初の選抜へ

 クラーク国際(北海道深川市)は初の選抜出場となり、選手たちは雪の積もった校舎前の広場で拍手をして喜んだ。北海道でも屈指の豪雪地区。選手らの息がマスク越しに白い煙のように上がった。

 昨秋の北海道大会では北海、駒大苫小牧など甲子園出場の常連校を下して優勝した。しかし、明治神宮大会では初戦で九州国際大付(福岡)に敗れた。白取太郎主将(2年)は「神宮でのふがいない結果を糧に、甲子園では明るさを存分に発揮したい」と誓う。

 創部9年目のチームを佐々木啓司監督、達也部長の親子が率いる。佐々木監督はかつて駒大岩見沢で「ヒグマ打線」と呼ばれる強力打線を育て、春夏計12回の甲子園出場を果たした。今年は左右の力のある投手を中心とした守り主体のチームで全国に挑む。

 同校は1992年創立の広域通信制高校。本部は北海道深川市だが、日本全国に約50の拠点を持ち、全生徒数は約1万人。プロスキーヤーや冒険家で知られる三浦雄一郎さん(89)が校長を務めており、「最高の舞台の切符を手にした選手たちを誇りに思います」とコメントした。(上田真仁、滝口信之、川村さくら、仙崎信一)

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