秋田の高校野球事例に博士論文 筑波大・高橋氏が知事に報告
秋田県の高校野球強化事業を事例に、筑波大の高橋義雄准教授(スポーツウエルネス学)が行政とスポーツについての論文をまとめ、博士号を取得した。競技成績の向上は市民の関心を呼び起こす効果があるとしている。7日、佐竹敬久知事に研究成果を報告した。
2010年まで夏の甲子園の初戦敗退が続き、県などが11年に強化プロジェクト委員会を発足。その後8年間、県外の有力指導者の講演や、県外強豪校との試合などを続けてきた。
同委のアドバイザーを務めた高橋氏は、昨年3月にまとめた論文で、こうした経過を紹介。18年夏の金足農の活躍など、高校野球の成績向上が県民の誇りになったとした。このような強化と関心の高まりの好循環を進めるため、行政はスポーツの専門的知識を持った人材を配置することで指導者や競技団体と連携を取ることが重要だと指摘した。
高橋氏は「行政は単に事業費を出せばいいのではなく、各団体やチームとのハブ(結節)役になるべきだ」と指摘した。(井上怜)