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まさかの逆転サヨナラ、あのとき何が 甲子園が投手2人に教えたこと

2021年12月17日09時30分

朝日新聞DIGITAL

 今年、2年ぶりに夏の甲子園が帰ってきた。広島新庄の初戦の相手は夏19回出場の強豪・横浜(神奈川)。2―0で迎えた九回裏、2死一、三塁。バックネット裏の記者席にいた私は、勝利を確信していた。

 先発の花田侑樹君は7回途中まで相手打線を無失点に封じた。救援投手を挟み、最終回のマウンドに秋山恭平君が登板した。あとアウト一つ。1年生打者に投げ込んだ2球目は自信のある直球だった。「カキーン」。ぐんぐん伸びた球は誰もいないレフトスタンドに吸い込まれた。まさかの逆転サヨナラ負けだった。

 「左の秋山」「右の花田」として、チームを牽引(けんいん)した2投手は、あのとき、何を考えていたのか。約4カ月が経ったある日、北広島町の学校を訪ねた。

 広島大会では背番号1の花田君が攻め込まれる場面が目立った。一方の秋山君はリリーフを任され、要所を締める投球で優勝時はマウンドの中心にいた。

 だが、秋山君はそのころ、春の県大会から続くコンディション不良に悩まされていた。地元の福岡や学校近くの整体に通い、甲子園初戦の1週間前まで投球練習を控え、前日も10球しか投げなかった。それでも「みんなに迷惑をかけたくない」と顔に出さなかった。

 「ランナーが出たらいくぞ」。宇多村聡監督には試合中に救援を告げられた。「サヨナラホームランを打たれてもおかしくないくらい、思いっきり投げるわ」とチームメートに宣言し、マウンドに上がった。一塁を守っていた花田君は「ホームランだけはやめてくれ」と祈っていた。その通りになる、劇的な幕切れとなった。

 2人は卒業後、それぞれの道に進む。10月のドラフト会議で巨人から7位指名を受けた花田君はプロの道へ。あの一戦を振り返り、「一球一球、最後のアウトまでしっかりやらないといけないと強く思った」。

 秋山君は中央大学で野球を続け、プロをめざす。「負けたけど、甲子園は夢のような場所だった。花田に刺激をもらいながら、大学4年間で力をつけたい」。2人は「いつか対戦したい」と口をそろえる。

 一球の怖さを知った選手たちの、これからの活躍が楽しみで仕方ない。(三宅梨紗子)

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