「イチローさん、うちにも来て」話したら実現 高校球児らを指導
大リーグのマリナーズなどで活躍したイチローさん(48)が11、12日、香川県の高松商業高校野球部の臨時コーチとして指導した。部員たちは憧れのスーパースターの一挙手一投足を目に焼き付け、次々と質問するなど、「夢の時間」を過ごした。
高松商は昨年イチローさんの指導を受けた智弁和歌山と今夏の全国高校野球選手権大会3回戦で対戦し、3―5で惜敗した。試合後のインタビューで長尾健司監督が「うちにもイチローさんに来て欲しいなと思う」と話したことがきっかけとなり、実現した。
イチローさんが今年、高校球児を指導するのは国学院久我山(東京)、千葉明徳に続いて3校目となる。
練習は高松市のレクザムスタジアムで行われた。12日はまず、ダッシュなどで部員と一緒に体を動かし、主将の浅野翔吾君(2年)とキャッチボール。その後、打撃練習を披露した。
「全力で(振って)良い形を目指している」と話しながら、外野フェンスを越える打球を何度も放つと、周囲で見守った生徒たちからは「打球が速い」「(弾道が)きれい」との声が漏れた。
約4時間の指導を終え、花と記念品を贈られたイチローさんは「期待しています。すごく良い雰囲気で、応援したくなっちゃいました」と話し、練習で使った黒いバットをチームに贈った。
浅野君は練習後、「これまで自分たちが正しいと思ってきたことが覆された。来年の夏、良い報告をイチローさんにできたら」と話し、長尾監督は「1カ月分の練習をした感じ」と充実した時間に感謝した。