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湖北から甲子園が合言葉 雪かきやゴミ拾いでつかんだ21世紀枠推薦

2021年12月12日10時00分 朝日新聞デジタル

 【滋賀】来春の選抜高校野球大会に向けた「21世紀枠」で、近畿地区の候補校に伊吹(米原市)が選ばれた。冬は積雪でグラウンドが使えず、室内練習場もない。だが、県大会で上位に食い込む戦力に加え、地道に続けるゴミ拾いなどの活動が評価された。チームが掲げる合言葉は、「湖北から甲子園」だ。

 「内角高め10本行きます」「よしっ」

 かけ声に合わせて、選手たちは汗を流しながらバットを振る。ストライクゾーンを九つに分け、コースごとに振り分ける素振りだ。中川蒼河(そうが)主将は、「今のチームの課題は、甘い球を一球で仕留める打撃力です」と話す。

 2007年からチームを指揮する野村勇雄監督(50)は、「上位に勝ち上がるも、強豪私立校の壁をあと一歩で破れていない」と話す。昨秋は綾羽に延長戦で敗れ、今秋は近江に終盤まで2―2と食い下がるも、サヨナラ負けを喫した。

 野村監督は「盗塁を刺すなど、投手を含めた守りの部分は通用するが、最後の最後で相手の打撃力が上回った試合だった」と振り返る。

 同じ湖北地域の長浜市にある伊香や長浜北には室内練習場があるが、伊吹にはない。雨や雪でグラウンドが使えない日は、校舎の廊下や武道場を使って練習を重ねる。そんなときの練習メニューは、素振りや体幹トレーニングなど5種類に限られる。

 野村監督は「正直、練習のモチベーションを保つのに難しいところはあると思う。それでも選手たちのひたむきさに私が支えられている」と明かす。

 選手たちは秋の大会後、部室の黒板に大会の試合結果を書いた。「近江2―3」。あえて負けた試合を黒板の一番上にして、下線を引いて目立たせた。

 「近江はもっとしんどい練習しているぞ」「俺らが甲子園に行って歴史を作るんや」。雨で校舎内の練習が続く日でも、自然と選手同士で声が出るようになった。

 中川主将は「どんな練習でも、『この練習で強豪より強くなれる』と信じてやっているし、これからもやっていく」と話す。

     ◇

 「地域に応援される野球部」もチームの目標だ。日頃のあいさつはもちろん、試合前には早めに球場入りし、周囲のゴミ拾いを欠かさない。雪が積もった日は、午前7時から学校前の道路の雪かきをする。いずれも10年ほど前から続く部の伝統だ。

 野村監督は、「『21世紀枠の推薦は、伝統を作った先輩たちのおかげでもある。忘れるな』と選手には日々言っています」と力を込める。

 26人の選手たちは全員、米原市や隣接する長浜市出身だ。中川主将を始め、県内外の私立高への進学を考えた選手もいる。しかし、「湖北から甲子園に行く」と伊吹を選んだ。

 これから迎える年末から2月中旬までは、グラウンドが雪でほとんど使えない。秋の大会で見えた課題の「打撃力」をつけるため、1日千本を目標にバットを振り込む。

 中川主将は「21世紀枠の推薦は励みになったし、選抜に進めればうれしい。湖北から甲子園に行くことだけを考えて、どんな練習にも取り組んでいく」と意気込んでいる。

 21世紀枠で選抜に出場できるのは3校。来年1月28日、全国9地区の候補校9校の中から選ばれる。(吉村駿)

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