長崎日大4強、選抜へ前進 海星は惜敗 九州高校野球
2021年11月10日09時00分 朝日新聞デジタル
鹿児島市の鴨池市民球場で9日あった第149回九州地区高校野球大会の準々決勝で、長崎日大(長崎2位)が13安打を放って佐賀商(佐賀1位)に7―1と快勝、来春の選抜大会出場に近づいた。11日に九州国際大付(福岡1位)との準決勝に臨む。海星(長崎1位)は有田工(佐賀2位)に0―2で惜敗した。
■佐賀商1―7長崎日大
初回、2長短打を浴びて1失点。「あれで目が覚めた」とエースの種村隼君(2年)は振り返る。初戦の小林秀峰(宮崎1位)戦から中1日のマウンド。疲れも残り、いま一つ気持ちが乗らなかった。
「これじゃだめだ」。その裏の攻撃中、ブルペンに戻って投球練習をやり直した。味方がすぐに追いつき、二回からは本来のピッチングが戻ってきた。
1―1の均衡が崩れたのは五回。死球を足がかりに好機を広げると、前田凱地君(同)の中前適時打で勝ち越し。七回には2死満塁の好機に百武伸君(同)、白川輝星君(同)、勝野凌空君(同)が連続適時打を放ち、5点を奪った。
「前回のリベンジ」。それがチームの合言葉だ。今季と同じく長崎2位で九州大会に臨んだ昨秋。初戦で七回コールド負けを喫した。初優勝を飾り、選抜の切符を引き寄せた大崎とは対照的に、無念さだけが残る大会だった。「先輩たちの悔しさを必ずはらす」。そんな思いで厳しい練習を重ねてきた、という。
「突出した選手はいないが、チーム全員の勝ちたいという思いが勝利を引き寄せた」と平山清一郎監督。
準決勝は九州国際大付が相手だ。主将の河村恵太君(同)は「チームの持ち味は粘り強い打撃。自分たちの野球を精いっぱい見せつけたい」。(三沢敦)
■海星0―2有田工
ともにゼロ行進が続く投手戦の均衡が崩れたのは八回。それまで相手打線を散発3安打に抑えていた海星のエース宮原が先頭打者に中前打を許す。2死二、三塁とピンチを広げた後、2点適時打を浴びて先制された。九回には田川、西村の連打などで2死満塁のチャンスを作ったが、後続が内野ゴロに倒れた。
安打数で有田工を上回りながら好機にあと1本が出なかった海星。加藤慶二監督は「相手バッテリーが狙い球を絞らせてくれなかったのが敗因。圧巻の投球だった」。11奪三振と好投しながら涙をのんだ宮原は「絶対に抑えたかったがうまくいかなかった。冬場にしっかり練習し、夏には頼れるエースになって戻ってきます」と前を向いた。