日大三島と聖隷が選抜出場濃厚に 秋季東海地区高校野球
2021年11月7日09時00分 朝日新聞デジタル
【静岡】第74回秋季東海地区高校野球大会(東海地区高校野球連盟主催)の準決勝2試合が6日、愛知県岡崎市の同市民球場であり、日大三島(静岡1位)と聖隷(同2位)がともに決勝進出を決め、来春の選抜大会出場をほぼ確実とした。決勝は県勢同士の対戦となった。
日大三島は、大垣日大(岐阜2位)と対戦。エースで4番の松永(2年)の満塁本塁打などで10点を挙げ、打ち勝った。
聖隷は至学館(愛知2位)と対戦。3点差で迎えた9回裏、4安打に四死球をからめ4点を挙げて逆転サヨナラ勝ちした。
決勝は7日午前10時から同球場で予定されている。
◇
低めのスライダーを力いっぱいたたくと、打球はセンターに飛んだ。一回裏2死一塁。待望のヒットに気持ちが高ぶった。「やっと結果が出た」
日大三島の左翼手永野陽大選手(1年)は、今大会が実質的な高校野球デビューだ。夏の大会、秋の県大会は出番なし。「どんな形でもいい。チームの役に立ちたい」。毎朝志願の練習を重ね、守備位置や打順へのこだわりを捨てて、臨んだ大会だった。
「スイングにキレがない」。監督やコーチから指摘を受けた。練習を重ねたが、思うように調子が上がらない。そんな時、永田裕治監督に声を掛けられた。
「甲子園出場がかかった大きな試合なんてなかなか経験できないぞ。楽しんでいけ」
スッと肩の力が抜けた。大事な試合、楽しんで一打席一打席、大切にバットを振ろう。その先にあこがれの全国が待っている。
中学時代は、学校の部活で軟式野球に取り組んだ。3年生の時、全国大会出場を決めたが、コロナ禍で出場できなかった。
「せっかく試合ができるんだ。そのチャンスをめいっぱい楽しみたい」
この日は、三塁打を含む3安打。もう迷いはない。決勝も楽しんで、東海地区優勝校としてあこがれの全国に行きたい。(長谷川潤)