松商学園が秋の長野大会制覇 東京都市大塩尻を延長で破る
2021年9月28日09時00分 朝日新聞デジタル
第145回北信越地区高校野球県大会(秋季)は27日、決勝と3位決定戦があり、今夏の長野大会を制した松商学園が東京都市大塩尻を破って優勝した。東海大諏訪が長野日大を破り、3位となった。4校は10月16日に県内で開幕する北信越大会に出場する。
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これが最後のチャンスかもしれない――。延長十回表、3―3で同点の場面。松商学園は1死一、三塁の好機で吉水真斗(2年)に打席が回ってきた。
「自分が打てなくても、後ろが良い打者だから」と割り切った。直球を引っかけ遊ゴロに。遊撃手が打球を二塁に転送している姿を横目で確認し、その後は松商伝統の全力疾走で頭からベースに滑り込んだ。併殺崩れになって勝ち越し、決勝点をもぎ取った。
守備が自慢の遊撃手だ。今夏はレギュラーとして甲子園にも出場した。だが、新チーム発足後は、チームを引っ張らないといけないという重圧も生まれた。
準決勝では九回裏のサヨナラの好機で凡退。勝ちはしたが、悔しさがこみ上げた。「任された役割を果たす。次につなぐ」と原点に立ち返った。
決勝では、先頭打者として迎えた九回は安打で出塁し、同点のホームも踏んだ。計2点に絡み、優勝の立役者に。それでも「まだまだ満足してません」。1学年上の先輩ができなかった春の甲子園出場を、冷静に見据えている。