スポブルアプリをダウンロードしよう

  • Sportsbull Android App
  • Sportsbull iOs App

すべて無料のスポーツニュース&動画アプリの決定版!

QRコードを読み込んでダウンロード

Sportsbull QRCode

甲子園で準優勝後 松井秀喜さんが星稜・林監督にかけた言葉

2021年9月3日19時49分

 高校野球の強豪・星稜(石川)の林和成監督が来春限りで退くことが発表された。同校OBの元記者が、甲子園で準優勝した一昨年夏のエピソードを明かした。

     ◇     

 「何で?」。一報を聞いて、驚きしかありませんでした。星稜高野球部では私の1学年後輩でしたが、監督に就任してからは「林監督」と呼び、お互い敬語でやりとりをする仲です。就任10年で8度の甲子園出場。これから、恩師でもある山下智茂元監督の甲子園通算勝利数に追いつけ、追い越せと思っていた矢先でした。

 発表された林監督のコメントで目に留まったのが、「10年で一区切り」という言葉。2019年の選抜大会で相手校のサイン盗みを疑い、異例の抗議を行った件で、指導禁止処分を受けた時でした。処分明けの会話の中で、同じことを言っていたことを思い出しました。

 「先輩! お騒がせして申し訳ありません」と、大声で電話に出た林監督へかぶせるように「立場は大丈夫?」と聞きました。すると「元々、10年一区切りと思って一年、一年勝負しております」と、語気を強めたのです。すごい覚悟で母校のユニホームを着ているのだな、と思いました。

 その年の夏、奥川恭伸投手(現・ヤクルト)を擁したチームを選手権大会準優勝に導くことになります。今でこそ言えますが、林監督の1学年先輩でもある松井秀喜さんから「よく勝ち上がったね。カズ(林和成監督)をお祝いしよう」と、突然、同期の私に連絡がありました。

 松井さんは数日間の日本滞在でしたが、都内で林監督を祝いました。そこで話されたのが、「野球が新しくなった」ということ。私たちの時代は必死さを前面に出した、泥臭い戦う軍団という感じでしたが、「必笑(ひっしょう)」を掲げるチーム作りが、林流。選手たちを、笑顔で伸び伸びプレーさせていました。

 「カズのやりたいようにやればいいんだよ。また、新しい星稜の野球を見せてよ。がんばってね」という松井さんの激励に、「選手たちのおかげで、いい景色を見させてもらいました。また、勝ち上がれるチームを作りたいです」と恐縮していた姿が印象的だった。

 まだ、46歳。高校野球の指導者として、これから成熟期に入る時期なのでは。とても、「お疲れ様」と言う気にはなれません。発表によると、秋季大会までチームを指導すると言います。彼の「一年、一年が勝負」という性格上、来春の選抜大会出場を狙っていくでしょう。母校を率いる残りの時間に全力を注いでほしいです。

 星稜高野球部OBは多数いますが、選手・指導者として母校に所属した人材は、そう多くはありません。経験は必ず生きると思います。また、チャンスがあれば、新しい野球を取り入れたように、「必笑精神」で挑んでほしいです。(オリンピック パラリンピック・スポーツ事業部 福角元伸)

 林和成監督が学校を通じて出した談話は以下の通り。

 「わたくし林和成は、2022年3月31日をもって星稜高校野球部監督の職から退くことを決意いたしましたことをご報告申し上げます。

 わたくしは、11年の4月から監督を務めさせていただきましたが、就任時より『10年間を一区切り』と決めておりました。9年目に準優勝を果たし、10年目で優勝という目標のもと取り組んできましたが、新型コロナウイルスの影響で戦うことができませんでした。もう1年という思いで、全身全霊で取り組んできましたが、結果として成し遂げることができませんでした。

 また、監督就任時、部長・コーチともいくつかの目標を掲げました。そのひとつは、10年間で春・夏と20回の甲子園出場のチャンスがあるなかで10回の出場を果たすという目標です。春3回、夏5回と合計8回の甲子園出場を果たしましたが、目標を達成することができませんでした。もうひとつは『日本一』になることです。『頂き』に近づきましたが一歩届きませんでした。

 『日本一』をはじめとして、掲げた目標を成し遂げることができなかったことは、わたくしにとって大変心残りではありますが、就任時に心に決めていたこの期に監督を退任し、次の世代にバトンを渡す決意に至ったものであります。

 わたくしにとって、秋の大会である第145回北信越地区高校野球石川県大会は、監督として臨む最後の大会となります。何としても優勝し、さらにセンバツ大会で『日本一』になることができるように生徒たちとともに頑張ってまいりたいと存じます。

 今後とも、星稜高校野球部に温かいご声援を賜りますよう何とぞよろしくお願い申し上げます」

関連記事

アクセスランキング

注目の動画

一覧へ