スポブルアプリをダウンロードしよう

  • Sportsbull Android App
  • Sportsbull iOs App

すべて無料のスポーツニュース&動画アプリの決定版!

QRコードを読み込んでダウンロード

Sportsbull QRCode

雨に翻弄、劇的サヨナラ 甲子園の主役は近江だった

2021年9月2日09時00分

 鈴なりの大観衆であれば、選手はどれほどの拍手を受けて戦っただろうか。聖地・甲子園がいつもより静かだったこの夏、近江は間違いなく大会の主役だった。優勝候補との4点差を覆す逆転劇、すさまじい粘りを見せる相手を振り切ってのサヨナラ勝ち――。20年ぶりの4強進出は、滋賀県民に感動をもたらした。

 なかなか初戦が迎えられない。大会史上最多となる7度の雨天順延があった今大会、その影響を最も受けた。

 当初は、13日午前10時半が初戦のはずだった。10日の開会式後、初めて甲子園に向かったのは17日。ところが、前の試合が降雨コールドに。翌18日からは第1試合に組み込まれ、午前4時過ぎに起床して出発するスケジュールを強いられた。

 19日は、リードしながら五回裏に降雨ノーゲームに。この試合を含め、最終的に10日間で6試合を戦う過酷な日程になった。

     ◆

 本格派の両右腕による必勝リレーは、甲子園の舞台でさらに進化を遂げた。

 全試合に先発した山田陽翔(はると)投手(2年)は、30投球回で今大会最多の31奪三振。準決勝では、降雨ノーゲームを含めて通算の球数が500球に差し掛かった五回に、自己最速タイの146キロを計測した。気迫のこもった投球が味方の攻撃の流れを作り続けた。

 岩佐直哉投手(3年)は、12回と3分の2を投げて18個の三振を奪った。2回戦では、自己最速を149キロに更新した。

 2人をリードした島滝悠真(はるま)捕手(3年)の成長も光った。昨秋は投球を後逸する場面も目立ったが、受け止める技術が飛躍的に向上していた。落ちる変化球も自信を持って要求し、好投を演出した。

 昨夏から主軸の新野翔大君(3年)は、3回戦から4番打者に返り咲いた。2本塁打を含む7安打は、チーム最多だった。

     ◇

 春まで終盤に弱かったチームが、甲子園では見違えていた。同じ近畿地区のライバルから挙げた二つの白星は、逆に終盤の粘り勝ちだった。

 2回戦、大阪桐蔭(大阪)との対戦。試合前、選手たちは「サイレンが鳴ってから、試合終了まで攻め続けよう」と、声を掛け合っていた。

 二回までに4点を失う苦しい展開。それでも1点、また1点と差を縮め、七回ついに追いつく。

 八回に2点適時二塁打で試合を決めたのは、途中出場の山口蓮太朗君(3年)。甲子園で初めて1桁の背番号をもらっていた。

 「外れた3年生の分も、全力で振った」

 県勢が過去4戦全敗だった大阪府勢から、初めて勝利を挙げた。

 準々決勝は、昨年10月の近畿大会で敗れた神戸国際大付(兵庫)とのリベンジをかけた一戦だった。

 秋に散発3安打で完投を食らった相手投手を、2イニングで降板させた。

 九回表、2死走者無しから4点差を追いつかれるが、ひるまない。

 「全然負けてないぞ!」

 気合を入れ直した九回裏、1死一塁からエンドランを仕掛け、春山陽生主将(3年)が得意の右方向への打撃で試合を決めた。

 「皆がつないで一丸でやってきた。最後も次の打者につなぐ思いだった」

     ◆

 1回戦では勝利後、退任する相手校の監督のために、ウィニングボールを譲った。打球を受けた相手には、走塁コーチがすかさず冷却スプレーを持って駆け寄った。さわやかなプレーも印象的だった。

 秋、春と県大会で優勝できなかったチームの躍進は、他チームにも刺激になったはずだ。

 県勢悲願の初優勝へ。望みを大きく膨らませる快進撃だった。(安藤仙一朗)

 ■甲子園での戦績

◆8―2日大東北(守りから攻撃のリズムを作る。島滝が3安打4打点)

◆6―4大阪桐蔭(4点差を大逆転。八回、山口が決勝の二塁打)

◆7―4盛岡大付(強打の相手に打ち勝つ。明石が3安打2打点)

◆7―6神戸国際大付(激闘の末、サヨナラ勝ち。春山が殊勲打)

◆1―5智弁和歌山(山田、副島、外義の2年生投手陣が粘投)

関連記事

アクセスランキング

注目の動画

一覧へ