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智弁和歌山、投打で圧倒 理想的な攻撃重ね3度目の頂点

2021年8月30日09時00分

 【和歌山】智弁和歌山は大会15日目の29日、決勝で智弁学園(奈良)を9―2で破り、21年ぶり3度目の優勝を果たした。甲子園が中止になり悔しい思いをした昨年の先輩たちの思いも背負って挑んだ夢舞台。決勝でも伝統の強打線と、エース・中西聖輝君(3年)を軸にした層の厚い投手陣が力を発揮し、投打に圧倒した。勝利を収め、相手校への礼を終えた後、選手たちは抱き合って日本一を喜んだ。

     ◇

 試合の流れをつかんだのは、主将で先頭打者の宮坂厚希君(3年)だった。「浮いた球をどんどんスイングしていこうと打席に入った」。試合開始のサイレンが鳴り響く中、初球のスライダーを振り抜き、中堅への二塁打を放つ。味方の安打で進塁し、犠飛で先制のホームを踏んだ。

 このチームは、苦しいスタートだった。県内のライバル・市和歌山に新人戦、秋季県予選、近畿大会で3連敗。選抜大会出場も逃した。「自分がチームを引っ張りたい」。近畿大会後、新たに主将になった。走攻守とも高い実力を見せ、背中で仲間を引っ張ってきた。

 春までは3番を打つことが多かったが、最後の夏を前に1番打者を託された。「出塁することでチームを勢いづけるし、得点にもつながる」。和歌山大会では打率2割3分。思った通りの結果を出せなかった。「甲子園では、とにかく塁に出ることを大事にしたい」。大会前、そう意気込んでいた。

 甲子園では好調だった。準決勝の近江戦では二塁打を含む4安打を放つなど、「切り込み隊長」としてチームに流れを引き寄せた。

 この日、六回には1死一、三塁の好機で右前適時打を放ち、力投のエースを助ける貴重な追加点を挙げた。

 苦境からのスタートで、「日本一のチームの主将」になった宮坂君。「試合をしていく中で、全員が少しずつ一つになっていった。全員野球が優勝につながった」。そう喜びをかみしめた。(滝沢貴大)

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