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智弁学園ライト、深々とおじぎ 徳を集めてタイムリー

2021年8月29日23時05分 朝日新聞デジタル

 (29日、高校野球選手権大会 智弁和歌山9-2智弁学園)

 盗塁で二塁を陥れるとベースの泥をさりげなく手で拭い、右翼の守備につくと、無人の外野席と本塁方向に深々とおじぎした。

 29日にあった夏の甲子園で準優勝に輝いた智弁学園(奈良)の谷口綜大(そうた)君(3年)が「徳を集めよう」と思ったのは、春の選抜大会でベンチ入りできなかったのがきっかけだ。秋の大会は先発メンバーにも入った。どん底に落とされた気分だった。

 滋賀県の家族に電話した。「自分のできることをやったらいい。まだやってないと思うことがあるなら、やったら」。父親は中学まで中心選手だった息子の挫折を感じ取り、こう励ました。

 自分に何が足りなかったのか。生活態度から変えようと思った時、思い出したのが1年上の先輩が在学中、まちのごみを拾う姿だった。「地域の役に立っていいな」と思った。

 学校の道徳教育でも「徳が集まる」という言葉がある。「自分もごみを拾って徳を集めよう」

 3月、毎朝6時半から30分間、バケツと火ばさみを持って1人で学校周辺のゴミを拾うことを始めた。ごみ拾いが癖になり、校舎で小さなごみを見つけると、さっと拾ってごみ箱に捨てる。

 大リーグの大谷翔平選手がグラウンドのごみを拾ってポケットに入れる姿が日米で話題になったが、そのことは知らなかった。

 「まちがきれいになって、自分の気持ちもよくなります」と谷口君。ごみ拾いを続けるうちに気持ちがすっきりし、思いっきりやるだけだと開き直れた。

 それがプレーに影響したのか、背番号「13」で出た今夏の奈良大会は6割2分5厘とチーム2位の打率で活躍し、優勝に貢献した。

 そして、「9」をつかんで臨んだ甲子園。29日の智弁和歌山との決勝戦では、先発出場した。1打席目に適時三塁打を放ち、自身も生還しようと果敢に本塁を狙った。球審の判定はアウト。一瞬悔しそうな表情を浮かべたが、すぐにホームベース上の土を払った。

 試合には敗れたが、谷口君は最後まで徳を集め続けた。(米田千佐子)

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