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ピンチも「面白くなってきた」 勝負楽しんだ石見智翠館

2021年8月28日09時00分 朝日新聞デジタル

 【島根】石見智翠館の甲子園の挑戦が幕を閉じた。新型コロナウイルス感染対策のための行動の制限、長雨による6度の順延などがありながらも、選手たちは真剣なプレーで3試合を戦い、感動を与えてくれた。

 島根代表としても、石見智翠館としても久しぶりの甲子園躍進だった。島根代表としては9年ぶりの白星で、8強入りは12年ぶり。石見智翠館としては、末光章朗監督が就任6年目だった2003年の4強入り以来の白星で、何より09年に「江の川」から校名を変えてから初勝利だった。

 初戦後、末光監督は「石見智翠館として校歌を歌えたことが本当にうれしい」と話した。智翠館の校名の入った校歌が初めて甲子園で歌われた。

 甲子園では主力のスラッガー・宮本赳希君(3年)が「復活」を印象づけた。島根大会開幕直前に骨折。過去にも、1年生ながらスタメンで出場した2年前の島根大会初戦で骨折し、その後の甲子園のメンバー入りの機会を逃したこともある。「悔しかったけど、きつい練習を一緒にやってきた仲間が頑張っているから、少しでも力を分けられるように声を出した」とベンチで応援した。

 メンバーらが「宮本を甲子園に立たせる」と声を掛け合い、それが実現した甲子園初戦は宮本君の本塁打が試合を決めた。その日の朝も「夏の初打席だな。自分らしくやれ」と声をかけた谷本暁彦部長は宮本君が打席に立つ姿に涙し、本塁打を放つと抱きしめて喜んだ。山崎凌夢主将(3年)も「人一倍練習する努力を見てきた。当然の結果だと思う」とたたえた。

 末光監督は日頃、「野球を楽しむ」という言葉を選手に語りかけてきた。島根大会前、極度の打撃不振に陥った伊藤陽春君(3年)は、末光監督の「結果を気にせず、思い切り楽しめ」という言葉で振り切れ、島根大会は8打点の活躍につながった。弘前学院聖愛戦で2点を勝ち越した九回の守り、1死一、二塁で末光監督は伝令に「面白くなってきたな」という言葉を託した。それを聞いた山崎琢磨投手(3年)は「バッターとの勝負を楽しむことを意識した」と1点を失いつつも投げ抜いた。

 野球を楽しむ、ピンチを楽しむ――。それを胸に選手たちは自分の困難や、息の詰まるような試合の緊張を乗り越えて勝ち上がった。

 チームの中でひときわ石見智翠館で甲子園に出ることに思いの強かった選手がいる。県外出身者が多いなか、外野手の山本寛太君(3年)の母校は高校のすぐ隣にある江津市立渡津小だ。15年に石見智翠館が甲子園に出た試合を見て憧れた。石見智翠館のレベルでプレーするのは難しいのではと言われたこともあったが、希望し続け、江津中学校の卒業式の日にはクラスメートの前で、「石見智翠館で甲子園に出る」と宣言した。

 甲子園に出場した二つ上の先輩と実力差を痛感し野球を諦めそうになったこともあったが、甲子園という目標を思い出し、今回9番の背番号をつかみ取った。甲子園ではスタメン起用がなかったが、智弁和歌山戦の九回、代打の選手に替わって右翼の守備についた。目指してきた甲子園、外野からはどんなふうに見えただろうか。

 コロナ禍、長雨の順延続きと異例ずくめだった甲子園。山崎凌夢主将(3年)は「開催されるのか不安だった。それでも甲子園で野球ができたのは感謝しないといけないし、幸せだと思います」と振り返った。(榊原織和)

     ◇

2回戦○4―3弘前学院聖愛(青森)

 八回、宮本の2点本塁打が決勝点に

3回戦○5―4日大山形

 2度同点に追いつき九回にサヨナラ勝ち

準々決勝●1―9智弁和歌山

 九回に山崎琢が意地の1点を返す二塁打

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