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盛岡大付の夏は終わった

2021年8月27日09時00分 朝日新聞デジタル

 【岩手】盛岡大付の夏は終わった。切れ目のない強力な打線は、3試合で本塁打3本を含む計37安打を放ち、「わんこそば打線」の名を甲子園に知らしめた。その背景には選手の努力と周りからの支えがあった。

     ◇

 小気味よい音を響かせ、高く飛んでいくボール。

 中学から高校まで青春時代をソフトボールに捧げた私にとって、外野のネットまで打球を飛ばすのは憧れだった。盛岡大付の選手たちは、そんな打球を次々と放つ。練習を見ていて、心が躍った。

 飛距離を生む大きな要因は、彼らの体格にある。

 3番の金子京介君(以下全員3年)は187センチ93キロで、4番の小針遼梧君は185センチ95キロ。ほかの強打者もユニホームの上から、肩、尻、脚のたくましい筋肉が分かる。高校生とは思えない風格があった。

 それを作ったのは、地道なトレーニングだ。

 打撃練習の合間に、ケージの後ろに置いた重さ60キロのバーベルを上げ下げする。野球部寮「清瞬館」の前では、朝5時半から素振りをする姿があり、雨が降りしきる夜10時すぎに、筋トレをする選手もいた。

 田屋瑛人主将が仲間によくかける言葉があった。「一人ひとりが自分の役割を果たそう」。その通り、サポートも万全だった。

 関口清治監督と松崎克哉部長の妻とともに、マネジャー3人は部員約50人分の食事を作った。その一人、下河原千愛(ちなり)さんは「玉ねぎを切り終わらない夢をみるようになった」と笑う。

 相手校の情報を集めて分析するデータ班は、ベンチ入りできなかった3年8人が務めた。エース渡辺翔真君は「この情報で、相手打者の苦手コースを投げられた」と振り返る。初戦の鹿島学園(茨城)戦は、このデータを持ち前の制球力で生かし、完封勝利した。

 打撃投手を務めた選手の存在も大きい。

 「俺から打てなきゃ、相手エースから打てない」。千葉雄介君は対戦するチームのエースのテンポなどをまね、打撃陣の練習相手を務めた。打線は、初戦で平内純兵君が3点本塁打を放ち、勝利を引き寄せた。

 2回戦の沖縄尚学(沖縄)戦で、渡辺君は八回2死まで1人の走者も出さず、2試合連続で完封。打線も2本塁打を含む14安打で相手をねじ伏せた。

 だが3回戦、近江(滋賀)戦は初めて追いかける展開になった。

 三回途中から登板した渡辺君は六回以降、相手打線につかまり、追加点を許す。打線は相手を上回る15安打を放ったものの、要所であと一本が出なかった。

 選手の努力と多くの支えでつかんだベスト16。

 「陰で支えてくれた人がいることを、忘れちゃいけない」。関口監督は最後の試合を終えた夜、選手たちにこう伝えた。「大事なのは、ここからだぞ」

 彼らの高校野球生活は幕を閉じる。だが、この先どんな道に進んでも、活躍できることを信じさせる選手たちだった。(西晃奈)

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