神戸国際大付、4強入りならず 近江にサヨナラ負け
2021年8月27日09時00分 朝日新聞デジタル
阪神甲子園球場(西宮市)で行われている第103回全国高校野球選手権大会(朝日新聞社、日本高野連主催、阪神甲子園球場特別協力)で、兵庫代表の神戸国際大付は26日、準々決勝で近江(滋賀)に6―7でサヨナラ負けした。4点を追う九回2死走者なしから一度は追いつく粘りを見せたが、4強にあと一歩届かなかった。
神戸国際大付は3点を追う五回、西川侑志君(3年)の2試合連続となるソロ本塁打で1点を返し、六回には坂本陽飛君(3年)の適時打で1点差に迫った。七、八回に失点し、4点をリードされて迎えた九回、関悠人君(3年)の2点適時打などで追いついたが、その裏にサヨナラ適時打を浴びた。
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主将として、チームを日本一に導きたい――。3点を先行されたうえ、1人の走者も出せていなかった五回表。4番で主将の西川侑志君(3年)は、自ら反撃の口火を切ろうと、強い思いで打席に入った。
フルカウントまで粘って8球目。真ん中に入った直球を振り抜いた。打球は大きな放物線を描いて左翼席に吸い込まれた。ダイヤモンドを回りながら右手を突き上げ、笑顔を浮かべた。
3試合全てで1点差を勝ちきって夏の甲子園8強となったチームだが、最初は「積極性がない控えめなチームだった」。野球ノートには悩みをつづっていた。「どうしたら上を目指せるチームになるのか、その中心の主将になれるのか」
勝てるなら、嫌われたっていい。練習では遠慮無く「しっかりやらんとあかん」と檄(げき)を飛ばした。選手の表情は次第に引き締まった。
今春の選抜は2回戦で8点差の大敗。「甲子園の雪辱は甲子園で晴らす」。悔しさの分だけバットを振り込む選手たちをまとめ、夏も夢の舞台にたどり着いた。青木尚龍(よしろう)監督はこうたたえる。「歴代の主将の中でもトップクラスの主将」
九回表、西川君は三振に倒れ、あと一人に追い込まれた。仲間を信じた。まだいける。「思いきり打て」。ベンチから叫んだ。
4長短打などで4点を奪い、同点に追いついた。でも、九回裏に力尽きた。
「最終回に追いつけたのは、今までの成果が存分に発揮できたから。日本一になるまでが主将の役目だったけど、精いっぱいやれた。最高のチームでした」(西田有里)