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甲子園で活躍の長崎商、選手育てた監督の「言葉の魔法」

2021年8月27日09時00分 朝日新聞デジタル

 夏の甲子園で25日、神戸国際大付(兵庫)に惜敗した長崎商。69年ぶりに初戦を突破した選手たちは、最後まであきらめない粘りの「長商野球」を見せつけた。急拡大するコロナと大雨による順延続きで「異例の夏」となった大会で、持てる力を存分に発揮し、見る者を魅了した。

 甲子園での3試合はいずれも厳しい戦いだった。

 熊本工戦は初回に先発の城戸悠希(はるき)君(3年)が先頭打者の三塁打を含む4連打を浴び、2点を先制された。続く専大松戸戦でも初回に先制しながら追いつかれ、得点圏に走者を背負う場面が毎回のように続いた。

 ピンチをしのいで勝ち上がった3回戦の神戸国際大付戦では、終盤に2点差を追いつき、延長戦で一時は勝ち越す展開に。サヨナラ負けを喫したものの、驚異的な粘りを発揮する選手たちに、九回2死から反撃の口火を切った長崎大会決勝の大崎戦を重ねた人は多かったに違いない。

 3回戦で2安打を放った3番打者の大町航太君(同)は試合後のオンライン会見で「実力以上の力が出せて、最高の引退試合になった」と笑顔を見せた。

 「土壇場力」――。西口博之監督がよく口にする言葉だ。ここぞという場面で一球勝負に勝つ力はどのようにして育まれたのか。

 「技術力だけでは足りません。不安や恐怖、緊張、迷い。自分の今の気持ちに勝たなければだめなんです」と西口監督は話す。

 大切にしているのが「言葉」だ。今の子どもをプラス思考に変えるには、頭ごなしに怒るだけではいけない。どんな場面でどんな言葉をかけるか。気持ちの強い子、落ち込みやすい子。選手に応じてかける言葉を使い分け、ノートに書き留めてきた。「勇気づける言葉は、その子にとって魔法になる」という。

 1、2回戦で計4安打3打点と活躍した右翼手の松井心助君(同)はつらい練習に心が折れそうになったとき、「時間が経てば終わる」という監督の言葉で気持ちが楽になった。ダブルエースの城戸君と田村琉登(りゅうと)君(同)は「ピンチを楽しめ」とたたき込まれ、心に余裕が生まれた。

 ただ、優しさの中にも厳しさがなければ選手は伸びていかない。

 部員にとって忘れられない1日がある。西口監督がいつになく激怒した3月29日のことだ。練習試合でのふがいない戦いぶりに堪忍袋の緒が切れた。「あの日から目の色が変わった。目標がはっきりしてやる気にあふれ、粘り強くなった」とマネジャーの舛屋美優さん(同)は振り返る。

 練習に加え、「言葉の魔法」でチームに粘り強さを植え付けていった西口監督。3回戦後のインタビューで「土壇場になっても弱音を吐かず、下を向かず、前を見ていきいきした表情をしている選手たちを頼もしく感じた」と語った。

 「異例の夏」を、今大会屈指の好ゲームでしめくくった選手たち。甲子園で実を結んだ「長商野球」は、新チームにしっかりと受け継がれるはずだ。(三沢敦)

 ■長崎商の甲子園での戦績

1回戦 ○8―4熊本工(熊本)

 初回4連打を浴びるも2失点でしのぎ、四回までに12安打8得点。69年ぶり甲子園勝利

2回戦 ○6―2専大松戸(千葉)

 五回に5安打を集めて3点勝ち越して主導権をつかむ。春の関東覇者から15安打

3回戦 ●5―6神戸国際大付(兵庫)

 八回、2点差を追いついて延長戦に持ち込み、十回には勝ち越すも逆転サヨナラ負け

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