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夢舞台の甲子園で見せた粘り強さ 高松商の戦いを顧みて

2021年8月26日09時00分 朝日新聞デジタル

 第103回全国高校野球選手権大会に出場した高松商は、初戦の2回戦で作新学院(栃木)を10―7で下し、25年ぶりの夏の甲子園での勝利を挙げた。24日の智弁和歌山戦では3―5で敗れ、惜しくも8強入りを逃した。だが、香川大会からチームの特徴だった粘り強さは甲子園でも存分に発揮した。高松商の夏を振り返る。(谷瞳児)

 智弁和歌山戦では、4点差を追いかける九回裏の攻撃で打者2人が凡退し、早々に2死と追い込まれた。ただ、ここから粘った。

 後続の打者は2ストライクと追い込まれ、何度もあと1球で試合終了という状況になりながらも、ファウルで粘って四死球で出塁した。安打も絡めて満塁の好機を作ると、敵失などで2点を奪った。惜しくも反撃はあと一歩及ばなかったが、最後まで諦めない姿勢が、プレーの一つひとつに表れていた。

 中学で日本代表だった主砲、浅野翔吾君(2年)は甲子園でも本塁打を放つ活躍を見せたが、決してタレントぞろいというチームではない。

 投手陣の直球はいずれも140キロに届かず、継投を念頭に5人の投手がベンチ入り。かつて横浜商で副部長を務め、元大リーガーで横浜のエースだった松坂大輔さんとの対戦経験もある三好明彦部長は「正直、県大会で8強、4強入りが精いっぱいのチームだと思っていた」と話す。

 だが、タレントぞろいではないことが、チームの結束を強めた。

 主将の山崎悠矢君、エースの坂中大貴君ら3年生を中心に、互いにミスを注意し合ったり、鼓舞したりと選手主体の取り組みで投打のレベルを上げていった。香川大会では、準決勝で4点を追う九回に7点を奪い逆転。決勝でも最大4点差をひっくり返した。山崎君は「日々の練習を地道にコツコツやっていれば、最後は神様が味方してくれると感じた」。

 甲子園では、控えの3年生部員も大きな役割を果たした。1、2年生も多くベンチ入りするチームとあって、ベンチ外の3年生は13人。メンバーとともに宿舎入りし、対戦校の分析を担った。

 対戦校の地方大会のビデオを何度も見返し、投手の初球の球種といったデータだけでなく、打者の細かなクセも洗い出した。「アウトコース低めのボール球のスライダーを追いかける傾向あり。その後は体が開きやすい」。宿舎のホワイトボードには相手校の先発選手全員の特徴がずらりと書き並べられた。

 初戦の作新学院戦では、栃木大会5試合で計7失点の3投手を事前に調べたデータを生かして攻略し10点を奪った。甲子園での目標を「まずは校歌を歌うこと」と、謙遜することが多い山崎君も「高商のメンバー外の選手たちは、日本一です」と誇らしげに語る。

 高松商として、夏は25年ぶりの勝利で春夏通算60勝目。史上2校目となる大正~令和の4元号での勝利を挙げた。さまざまな記録を作り、終えた夏。8強入りはならなかったが選手たちの表情は晴れやかだった。「やりきった」「あこがれの場所で野球ができて本当に楽しかった」。選手たちからは前向きな言葉が聞かれた。

 来年も、香川県勢のさらなる活躍が見られることを期待しつつ、甲子園で躍動した高松商の選手たちに、長尾健司監督の言葉を借りて、贈りたい。「胸を張って帰ろう」

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