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「チームの鑑になれ」 松商学園マネジャーが変わった日

2021年8月25日18時28分 朝日新聞デジタル

 (25日、高校野球選手権大会 明徳義塾2-0松商学園)

■松商学園・宮川遥翔記録員

 みんなと同じユニホームではなく、制服を着て甲子園のベンチに入った。こんな自分の姿、入学前は想像もできなかった。でもこれが、自分と向き合って出した答えだ。

 1年夏から右手の親指の付け根に痛みが走るようになった。ろくにバットも振れず、何もしなくても痛みが出ることもあった。病院に行っても原因がわからず、「このまま野球もやめようか」。思い詰めたが、「やっぱりチームのために何かしたい」とマネジャーとして支える道を選んだ。

 2年の6月。監督に報告すると、思わぬ言葉が返ってきた。

 「チームのかがみになれ」

 手本となり、チームを引っ張れという意味だった。でも、人前で話すのは苦手。42人いる野球部の同学年でも、しゃべったことがない人もいたし、うるさいことを言うと嫌われるんじゃないかと思った。まずはコミュニケーションから。そう考え、練習の様子を観察して話題を見つけては、「調子良さそうだね」などと話しかけた。

 昨冬、朝に慣習としてやっていたグラウンド清掃のやり方を変えようと提案した。中学時代に習った「自問清掃」というもので、誰にも指示を受けず、黙って取り組むことで、がまんを覚え、自分で考え行動できる力を育てるというもの。教室を借りてプレゼンテーションソフトを使い、要点を説明した。選手たちが「採り入れよう」と賛同してくれた。うれしかった。

 チームのことを一生懸命考えていたら、厳しい言葉も遠慮なく言えるようになった。この春、試合で歯車が狂うと、下を向く選手が目立った。このままでは夏を迎えられない。「自分のことしか考えていないから、下を向くんじゃないのか」と発破を掛けて前を向かせた。長野大会を制した日、校歌を聞くと、「報われた」という気持ちでいっぱいになった。人目をはばからず号泣した。

 甲子園。一塁側ベンチの左端で仲間を見守った。自分の成長をそのまま鏡で映すように、選手の姿は頼もしかった。小中学生の時は、最後の大会で負けたら泣いていた。でも、今日は違った。「自分が選んだ道は、間違っていないと思えた。後悔なくやり通せた」(高岡佐也子)

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