No.1左腕目指す京都国際エース 8強入りでも反省
2021年8月24日13時49分 朝日新聞デジタル
(24日、高校野球選手権大会 京都国際6-4二松学舎大付)
京都国際の2年生エース森下瑠大は試合前、小牧憲継監督にこう言われて、マウンドに送り出された。
「どっちがナンバーワン左腕か証明してこい」
2回戦で西日本短大付(福岡)を4安打完封した二松学舎大付(東東京)の左腕、秋山正雲との投げ合い。意識せずにはいられない。
「勝って名前を全国に広めたい」
そんな野心を抱きつつ、130キロ台後半の直球を中心にカットボールやスライダーを織り交ぜ、10回で12三振を奪った。
心残りなのは、1死二、三塁から同点の3ランを浴びた九回。逆転サヨナラ負けした春の選抜2回戦東海大菅生戦が頭をよぎった。
「引きずらず、もう一回立て直すのがエース」。そう言い聞かせて、気持ちを切り替えた。捕手の中川勇斗もマウンドに駆け寄り、「大丈夫、大丈夫。思い切って攻めてこい」と言ってくれた。続く2人を抑え、さらなる反撃を許さなかった。
延長十回の攻撃では「自分で取り返そう」と狙っていた直球をとらえた。左翼ポール際にはじき返す決勝の適時三塁打を放った。
「打撃は良かったけど、投手としては詰めの甘さが出た」と振り返った2年生エース。春から確実に成長した姿を見せ、チームを初の8強入りに導いたが、大会ナンバーワン左腕になるには、この出来では満足しない。(佐藤祐生)