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高知中央、創部3年目で甲子園 「女子だから」を越えた

2021年8月23日21時58分

 23日に阪神甲子園球場で初めて行われた第25回全国高校女子硬式野球選手権大会(全国高校女子硬式野球連盟、兵庫県丹波市主催、朝日新聞社後援)の決勝。創部3年に満たない高知中央が、この大舞台にたどり着いた。

 3年生10人と西内友広監督(40)が一から作り上げたチームが、夏1度、春2度の優勝を誇った強豪・神戸弘陵(兵庫)を苦しめた。二回に4失点したものの、ほかのイニングは得点の機会を与えなかった。四~六回、得点圏に走者を進めて神戸弘陵にプレッシャーをかけ続け、最後まで諦めない姿勢を貫いた。

 創部は2019年の春。当初、練習場所は男子部のグラウンドの隅っこだった。50メートルプールほどのスペースしかなく、打撃練習も満足にできない。

 部員たちは、西内監督がホームセンターで買ってきた長さがばらばらの鉄パイプで素振りした。短く軽いパイプは、正しいスイングの軌道を体に覚え込ませるため。長く重いパイプは握力や筋力を鍛える用だ。

 西内監督は、高知・安芸高で主将を務めた元球児。捕手だった。四国学院大(香川)を卒業し、いったんは会社勤めをしたが、高校の社会科の教員になった。16年から2年間、県内で唯一の女子部があった室戸を指導したことがきっかけとなった。

 「男子の甲子園のような華やかな舞台はないのに、これだけ頑張れる。本当に野球が好きなんだな」

 女子選手の熱心さにうたれた。「裾野を広げたい」と数校に女子部の立ち上げを提案してまわった。認められたのが、以前に勤務していた高知中央だった。

 創部から3カ月、1年生だけで臨んだ19年の全国高校選手権は1回戦で京都両洋に0―3で敗れた。

 新入生14人が加わった2年目、男子部のグラウンドを週4回、使えるようになった。ノックの強さに手加減はなくなり、走り込みの量も多くなった。

 「中学時代まで『女子だから』と手加減されてきた選手が多い。男女に関わらず、全力で野球に打ち込んでほしい」

 西内監督は厳しい練習にそんな意図を込めた。

 地元出身の2年生エース和田千波留(ちはる)が「次々にきついメニューを入れられた。その分、試合のたびに自分の成長を感じることができた」と振り返れば、主将の氏原まなかも「つらいこともあったけど、続けてきてよかった。日本一の練習に耐えてきたから、自信はある」と涙を浮かべて言った。

 そして、3学年がそろった今夏、ついに決勝まで進んだ。史上初の阪神甲子園球場での決勝戦は、望んだ結果にはならなかった。

 それでも、氏原は言った。

 「男の子だけのものだと思っていたけど、甲子園でプレーできた。3年間のつらさを全て忘れるくらいうれしかった」

 忘れられない一日になった。(高橋健人)

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