女子野球のレジェンド、84歳が始球式 今も現役の審判

2021年8月23日17時11分

 女子高校球児が初めて阪神甲子園球場でプレーした23日の第25回全国高校女子硬式野球選手権大会の決勝戦。試合に先立って始球式をしたのは、84歳の高橋町子さんだった。1950年代に女子実業団野球でプレー。43歳で審判員となり、今もグラウンドに立つ女子野球のレジェンドだ。

 宮城県鬼首村(現大崎市)で生まれ育った高橋さんは高校卒業後、女子実業団野球の「わかもと」で遊撃手としてプレー。「野球に恩返ししたい」と審判になり、60歳で大リーグ元審判員が主宰する米国の審判学校で学んだ。

 女子軟式野球チームをつくり、親子3代でプレーしたこともある。今も審判をする一方で、男性に交じってプレーもしている。

 90年に開催された第1回全日本女子軟式野球選手権大会で審判長を務め、95年には国内の女子硬式野球の草分けとなった日中対抗女子中学高校親善野球大会で球審をした。

 今回、始球式の打診を受けた時は「私なんかでいいのでしょうかとためらいましたが、四津浩平さん(故人)の思いも背負って投げさせていただこうと思いました」。四津さんは私財を投じて日中対抗大会やこの大会の礎を築いた人だ。

 苦節十年――。女子硬式野球選手の笑顔のために。

 四津さんが生前に残した言葉を背番号のように貼り付けて、高橋さんは始球式のマウンドに立った。(編集委員・安藤嘉浩)

新着ニュース

アクセスランキング

注目の動画

一覧へ