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大阪桐蔭、5月に引退宣言した先輩へ 池田主将の誓い

2021年8月23日23時15分 朝日新聞デジタル

 先輩たちの分まで――。2年分の思いを込めた日本一への挑戦が終わった。

 優勝候補の筆頭に挙げられた大阪桐蔭が、2回戦で近江(滋賀)に4―6の逆転負け。昨年は春夏の甲子園大会が中止となり、「2年分の日本一」を掲げて11回目の夏の大舞台に乗り込んだが、道半ばで断たれた。

 昨年5月20日。コロナ禍の影響で夏の甲子園大会の中止が決まった。翌日の夜、当時の3年生が寮の食堂に集まった。数時間にわたって話し合う。涙ながらに思いをぶつけ合った。そして、結論を出した。

 「引退しよう」

 翌22日朝、西谷浩一監督にその思いを告げた。主将だった薮井駿之裕(しゅんのすけ、大商大)は、当時を振り返る。「日本一をめざす大会がなくなり、気持ちをどこに持っていけばいいかわからなくなった。1日でも早く(新チームで)2年生たちに日本一をめざして頑張ってほしいと思った」

 西谷監督から「野球人生はまだまだ続く。今までやってきたことを無駄にしてはいけない」と諭され、野球を続けたが、先輩たちのそんな姿を知った現主将の池田陵真は、胸を熱くする。

 2年生のころからレギュラーとして試合に出ていた。自分たちのために、一度は大好きな野球をやめる決断をした先輩たちの思いを受け、「来年は必ず日本一になる」と心に誓った。

 8月に甲子園で1試合だけの交流試合が開かれた。試合後、ベンチで薮井から打撃用手袋を手渡された。その試合で使っていた白色で少し土がついたものだ。「いいチームを作れよ」と肩をたたかれた。

 池田はお守り代わりに、その手袋を試合のたびにバッグに忍ばせた。今春の選抜大会は初戦で敗退し、チーム状態はどん底になった。自身も不振に陥ると、その手袋を取り出して、バットを振った。

 迎えた最後の夏。池田は東海大菅生(西東京)との初戦で3安打をマークした。チームも3本塁打を放つなど7得点。好スタートをきった。

 だが、この日の2回戦は3打数無安打。1点リードで迎えた七回2死三塁の好機で空振り三振に倒れた。直後に追いつかれ、八回に2点を失った。

 試合後、一塁ベンチ前で相手の校歌を聴いていると、涙がこぼれ落ちた。こらえようと、何度も歯を食いしばって上を向いたが、あふれてきた。「3年間、しんどいこともたくさんあったけど、先輩、後輩いろいろな方々とつながれた。いい経験になった」

 そして、号泣する2年生投手の川原嗣貴(しき)、捕手の松尾汐恩(しおん)の肩をそっと抱いた。

 「思いは、後輩たちに引き継ぐ。必ず日本一になってほしい」(山口裕起)

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