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埼玉球児を見守る兵庫・伊丹市民

2021年8月23日09時00分 朝日新聞デジタル

 甲子園の埼玉代表校の定宿は、兵庫県伊丹市にある。大阪駅まで電車で20分ほどのベッドタウンだが、江戸時代には酒造りで栄え、中心部は当時の風情が今なお残る。歴史ある街のあちこちに、埼玉代表校とのつながりがあった。

 浦和学院の森士監督(57)には忘れられない光景がある。2013年、第85回選抜大会で優勝したときのこと。バスでホテルに帰ってきた選手たちを、あふれんばかりに並んだ地元の人々が旗を振って出迎えてくれた。「300人くらいかなあ。あれはうれしかった。伊丹の人からこんなに応援してもらえていたなんて」

 定宿の伊丹シティホテルは1987年開業。翌年から埼玉の代表校を受け入れている。春夏計24回出場の浦学との縁は深く、当時から担当する同ホテル営業部の林宏明さん(58)は、森監督の長男で現部長の大さん(30)を小学生のころから知る。「市民も毎年ここで埼玉代表を受け入れていることを知っている。もちろんどの学校も応援しているが、浦学を応援する方はひときわ多い」と話す。

 理由は、出場回数の多さに加え、「朝のごみ拾い」にあるという。「浦学は選手も指導者も、毎朝散歩がてらごみ拾いをする。そんな姿を市民も見ていて、ホテルにもよくお褒めの声が届きます」。今年は新型コロナの影響で選手らは出歩かないようにしていたが、「伊丹は古い街で住民の郷土愛も強い。だからこそ、浦学の選手たちの行動もうれしいのでしょう」。

 ホテルから徒歩5分、選手らがよく通ったという銭湯「力湯」を訪ねた。こぢんまりとした昔ながらのたたずまいで、地元住民でにぎわう。番台の女性(58)は「何年前から来てくれてるかって? 思い出せないくらい前から」と笑った。「礼儀正しくて、浴場でも騒いだりせえへんってお客さんからも評判」。入り口には選抜で優勝したときの旗と皿が飾ってある。

 徒歩1分のたこ焼き屋「三笠屋」は、歴代の埼玉代表校を見守ってきた。創業は62年。店主の青枝安夫さん(72)は「来てくれた学校の中で一番古い記憶は浦和市立」だという。88年夏のことだ。「毎日来てくれるなと思ってたら、ベスト4までいった」

 近年は「1人20個注文してくれる」という花咲徳栄が常連だ。「春日部共栄も昔はよう来たなあ。いつも埼玉大会からチェックして、どこが来るか楽しみにしてる。最近は昌平が強いんやろ?」。伊丹の人々と埼玉球児のつながりは、思いのほか強かった。(黒田早織)

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