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盛岡大付の食を支える監督の妻 「二つの家庭」切り盛り

2021年8月23日07時05分 朝日新聞デジタル

 (22日、高校野球選手権大会 盛岡大付4-0沖縄尚学)

 2本の本塁打を含む14安打。どの打順からでも点の取れる切れ目のない「わんこそば打線」で、盛岡大付(岩手)が強豪・沖縄尚学を破った。例年になく体格のいい選手を育てたのが、関口清治監督(44)の妻・由可里さん(43)が切り盛りする選手寮だった。

 学校近くにある選手寮「清瞬館(せいしゅんかん)」には3年生全員と2年生の部員計47人が暮らす。7月の夕方。厨房(ちゅうぼう)で寮母の由可里さんが忙しく調理していた。メニューはカツ丼にサラダ、スープ。白米63合を炊き、とんかつ50個を揚げた。「作るのは4時間、食べるのは10分」と由可里さんは笑う。

 選手寮の計画が持ち上がった2019年、関口監督から寮母に指名された。強打が伝統の同校だが、体が細い選手も多かった。「知識と責任を持たないと」と、食品衛生責任者と調理師免許の資格を取得。自身の5人の子供を育てながら、20年春の寮完成後は「二つの家庭」を支えた。

 協力態勢も万全だ。松崎克哉部長(34)の妻彩さん(35)と食事を分担し、朝食の盛り付けは寮に住み込むコーチ陣にお願いすることも。自宅に帰るのが遅くなれば関口監督が家事を担う。目が回る日々だが、選手たちが「おいしい」と食べているのが何よりうれしかった。

 由可里さんは関口監督が「日本一になりたい」と話すのを何度となく聞いた。「日本一を目指すならサポートも日本一に」と覚悟を決め、「本塁打の可能性を広げられれば」と栄養学の本や講演で勉強したり、スーパーで選手の顔を思い浮かべながら食材やメニューを考えたりと試行錯誤した。

 選手たちも成長を感じていた。松本龍哉君(3年)は昨春に入寮し、体重は5キロ増の85キロ。ベンチプレスは15キロ増の120キロを持ち上げた。飛距離が抜群に伸び、芯に当たらずともスタンドに入るようになった。「おかずの量も多いしバランス良く腹いっぱいに食べられる」。

 親元を離れて暮らす選手も多く、ユニホームに穴が開けばミシンで縫ったり、物干しざおがなければ買ってくれたりと、家庭のようなコミュニケーションを築いてきた。

 22日の試合で、エース・渡辺翔真君は八回2死までパーフェクトの快投。松本君は4安打と大活躍。8回にだめ押しの本塁打を放った新井流星君(3年)は「毎日作ってくれるおいしいご飯のおかげで打てた。もっと打って打って、感謝を伝えたい」と意気込む。

 スタンドで見守った由可里さんは試合中、渡辺君や小針君が寮の前でトレーニングに打ち込む姿が思い出されたという。「翔真の渾身(こんしん)のピッチングに、2人が堂々のホームラン。最高にうれしい瞬間でした」と声を弾ませた。(西晃奈)

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