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創部2年で全日本8強 高校女子野球、岡山学芸館の挑戦

2021年8月20日09時00分

 2年前の春、岡山学芸館高校に女子硬式野球部ができた。創部メンバーが3年生になった今年のチームは、最後の公式戦となった8月の全日本選手権大会で2勝し、8強入りを果たした。野球をしたい女子のための器になれた――。新たな歴史を刻んだ3年生はそんな充実感を抱いて引退した。

 「ナイスバッティング!」「レフト惜しい。今の捕れたよ」

 元気な声が飛び交う瀬戸内市のグラウンド。部員は3学年で35人にまで増えた。部ができた頃と比べると、見違えるようににぎやかになった。

 創部を提案したのは、学芸館の男子硬式野球部で長く監督をつとめた山崎慶一さん(64)。選手として野球がしたいのに、男子野球部のマネジャーになったり、他部を選んだりする女子生徒を山崎さんは何人も見てきた。創部が決まると、自ら監督に就いた。

 2歳上の兄が同校野球部にいた藤本莉央さん(3年)は迷わず入部し、主将になった。当時の部員は8人。野球経験のない同級生を誘って、試合ができる人数を確保した。1年目はテニスボールで練習を重ね、ルールを一つずつ確認。野球の形になるのに、しばらくかかった。

 今の3年生には50メートルを6秒台で走れる選手が5人。練習は走塁や守備が中心だった。各選手の成長はめざましく、守備範囲は格段に広がり、盗塁も増えた。山崎監督が「スピードは日本一」というほどのチームに仕上がった。

     ◇

 40校が参加し、兵庫県丹波市で7月24日に開幕した第25回全国高校女子硬式野球選手権大会にも出場。決勝が阪神甲子園球場で開かれることが決まり、選手たちはいっそう燃えた。

 開幕日にあった花咲徳栄(埼玉県)との初戦は緊迫した投手戦になった。堅守の学芸館は7イニングのうち6イニングを打者3人に抑え、優位に試合を進めたが1点がとれない。延長八回タイブレークの末、0―1で敗れた。

 「勝てる試合だった。悔いが残る」。遊撃手で1番打者の藤本さんは唇をかんだ。ただ2年前の「手も足も出なかった」前回大会に比べると、堂々たる戦いぶりだった。

 今月7日に松山市で開幕し、3年生にとって最後の公式戦となる第17回全日本選手権大会では、社会人の2チームを連破して8強入り。環太平洋大に敗れたが、部の歴史に大きな一ページを刻んだ。

     ◇

 「女子でも本格的に高校野球ができる」。岡山にそんな場所を作れたことに藤本さんは手応えを感じている。

 今年の1年生には野球部に入るため、福岡、静岡、奈良など県外から入学した部員も多い。昨冬に開いた同校の野球教室には、20人近い女子児童も参加してくれた。「莉央ちゃんみたいに野球を続けたい」と少年野球チームで努力を続ける女子もいる。

 県内の高校で女子硬式野球部があるのは、まだ岡山学芸館だけ。「選択肢を増やすため、女子チームのある高校は一つでも多い方がいい。男子に比べると歴史は浅いけれど、その分、間口が広がる余地はたくさんある」。後輩たちが女子野球の道を広くしてくれると信じている。(中村建太)

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