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息子がつないだ縁 父子で挑むそれぞれの「甲子園」

2021年8月19日18時30分 朝日新聞デジタル

 第103回全国高校野球選手権大会に出場する三重の主将池田彪我(ひゅうが)君(3年)と同校OBの父裕紀さん(43)は今年、それぞれの「甲子園」に臨む。元高校球児たちが戦う12月のマスターズ甲子園に出場する父は一時、野球と疎遠になった。再び白球を追うきっかけとなった息子に「今の状況で試合ができることに感謝し、楽しみながら頑張って」とエールを送る。

 「先に決めたよ。お前も夏、頑張れよ」

 今年5月、マスターズ甲子園の三重県代表決定戦で三重OBは10―9で宇治山田OBに勝利。試合前のノッカーを務めた裕紀さんは、帰宅した彪我君に「甲子園出場」を伝えた。

 裕紀さんが高校3年だった1995年、三重は夏の甲子園に出場。当時は控え部員で打撃投手としてベンチ入りメンバーの練習を支えた。甲子園はスタンドから応援し、初戦敗退。「何だかあっという間に終わってしまった」。大学時代は地元の草野球チームでプレーしたが、卒業後に会社勤めが始まると、しだいに野球から遠ざかった。

 再び野球に関わるようになったのは、彪我君の存在が大きい。小1で地元の少年野球「津リトルリーグ」に入り、裕紀さんはコーチをするようになった。

 「仲間を大事にせなあかんよ」「練習をサボったら、他の人には分からなくても自分には分かるよ」。技術面以上に、仲間への思いやりや自分に正直でいることの大切さを繰り返し教えた。「家でもグラウンドでも口うるさく指導した。自分でも厳しかったと思う」と振り返る。

 彪我君が母校・三重に進学した際、「敬天愛人」と記された額を贈った。仲間を大切にする心を忘れないで欲しいとの思いを込めた。すると、彪我君の入学を知ったかつての先輩から、電話でマスターズ甲子園への参加を誘われた。息子が野球との「縁」を取り持つとともに、人との「縁」も感じた。

 7月、一足先に「甲子園出場」を決めていた裕紀さんは三重大会決勝をスタンドで応援した。九回、二塁手からの送球を一塁手の彪我君がグラブに収めて甲子園出場を決めた瞬間、涙があふれ出た。

 その夜、様々な思いを込めて彪我君に言った。「甲子園球児の親にしてくれてありがとうな」

 彪我君はそんな父を「野球の道に導いてくれた人。基礎は全てお父さんから教わった」と話す。「小さい頃から自分のために時間を割いてくれてありがとう」。20日に樟南(鹿児島)との初戦を迎える。父への感謝を胸に一足先に甲子園の舞台に臨む。(岡田真実)

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