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臥薪嘗胆、自分たちの野球貫く 鹿島学園の戦い振り返る

2021年8月19日09時00分 朝日新聞デジタル

 【茨城】第103回全国高校野球選手権大会に初出場した鹿島学園は、1回戦で盛岡大付(岩手)に0―7で敗れた。スコアは大敗だったが、鹿島学園を昨秋から見てきた私は、選手たちの成長を感じていた。

 「臥薪嘗胆(がしんしょうたん)」。鹿島学園の部室には、中国の故事が由来の四字熟語をプリントしたシャツが飾ってある。

 薪の上に寝て、にがい肝をなめる。負けた悔しさを忘れずに努力することを意味する。

 チームのスローガンになったのは、ある敗戦がきっかけだった。私も取材陣の1人として見ていた。

 昨年10月、春の選抜大会につながる秋季関東大会の初戦。専大松戸(千葉)に0―8で完敗した。

 エースの薮野哲也君(3年)は制球に苦しみ、八回まで4失点。打線は5安打と封じられた。捕手の高久塁君(2年)は「球場の雰囲気にのまれ、浮ついてしまった」と振り返る。

 どんな球場でも、どんな場面でも、自分たちがめざす野球をやりきる。そのために、精神的な強さに主眼を置いて練習をしてきた。

 たどりついたのは、投手を中心とした堅守でリズムをつくり、単打に機動力を絡めて好機をものにする野球だった。激戦の茨城大会を勝ち抜き、春夏通じて初の甲子園をつかんだ。

 初戦では強力打線の盛岡大付に挑んだ。「どんな強豪が相手でも、自分たちの野球を貫く」と甲斐竣介主将(3年)は語っていた。

 序盤は主導権を握った。薮野君は縦横のスライダーを駆使し、三回までは被安打1、奪三振3の無失点。二塁手の船田琉斗(りゅうと)君(2年)は一、二塁間を抜けそうなゴロに飛びついた。

 打線も好機はつくった。一回は高久君、大塚大君(3年)の連打などで2死満塁としたが、先制できなかった。

 四回に浴びた3点本塁打が勝敗を分けた。

 2死一塁から薮野君が四球を出すと、荒木玄篤君(3年)が伝令に走った。「気持ちを切り替えろ」と伝えた。

 直後の1球目。「前の打者にはストライクが入らなかったので、思い切って内角直球を求めた」と捕手の高久君。強気に投げた直球が少しうわずったのを打者が見逃さなかった。「1球の重みを痛感した」。薮野君は悔やんだ。

 終わってみれば7点差。それでも大舞台にのまれず、選手たちはのびのびとプレーした。めざす野球をやりきった上での敗戦だったと思う。「みんな精いっぱいやってくれた。いい負け方をした」と鈴木博識(ひろし)監督も目を細めた。

 先発出場した9人のうち4人が2年生。甲子園を経験できた。高久君は「来年、同じ場所で借りを返す」と誓った。

 臥薪嘗胆の1年が、また始まる。(伊藤良渓)

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