スポーツブル(スポブル)

スポブルアプリをダウンロードしよう

  • Sportsbull Android App
  • Sportsbull iOs App

すべて無料のスポーツニュース&動画アプリの決定版!

QRコードを読み込んでダウンロード

Sportsbull QRCode

出場辞退の宮崎商「苦渋の決断」 選手ら気遣う声相次ぐ

2021年8月18日13時05分 朝日新聞デジタル

 野球部員らが新型コロナウイルスに感染した宮崎商業高校は17日、第103回全国高校野球選手権大会(朝日新聞社、日本高校野球連盟主催)の試合出場を辞退した。門田誠校長はこの日、沈痛な表情で記者会見に臨み「生徒の心のケアに尽くしたい」と述べた。

 関西入りした宮崎商の一行は総勢35人。最初に選手1人が発熱を訴えたのは14日夕だった。その後、全員のPCR検査を繰り返し、17日朝の時点で選手ら13人の陽性が確認された。2人に微熱などの症状があり、11人は無症状という。13人は宿舎の個室から順次、療養施設に移される。

 残る22人のうち14人は陰性、8人が濃厚接触者とされた。この22人は後に正式な検査で陰性が確認された上で保健所の許可が出れば県内に戻る予定という。

 門田校長によると、選手らの陽性判明が相次ぎ、保健所に集団感染と認定されたことから、出場辞退を決断。17日朝に大会本部に正式に伝え、受理された。

 門田校長は「苦渋の決断をせざるを得なかった。生徒の健康、安全面、対戦相手のことも考慮すると、出場は不可能だと考えた」と説明した。

 学校の決断を聞いた橋口光朗監督が、それぞれの個室で待機している選手一人ひとりに電話をして辞退することを伝えたという。

 選手らはPCR検査で陰性を確認してから5日に関西入りした。現地では、大会が規定した感染対策ガイドラインに沿い、注意深く行動してきたという。門田校長らは「原因については思い当たる節が、なかなか見つからない」と話した。

 選手らの宿舎には17日、松田太郎教頭のほか、県教委と県大阪事務所の職員が駆けつけて対応。2、3年生の担任教諭も選手の部屋に直接電話し、心のケアに努めているという。門田校長は「選手たちの心情を察すると言葉が見つからないが、安全を第一に考え、一人ひとりのケアに最善を尽くしたい」と話した。

 試合の辞退後、13年ぶり5回目という宮崎商の出場回数は有効だが、智弁和歌山戦は、全国選手権大会初の不戦敗とされる。

 会見に同席した県高野連の萩尾英司会長は「春夏連続出場で、投打のバランスが取れた、非常に力のあるチーム。無念な気持ちだったと思う。自暴自棄にならず、次の人生に生かしてほしい」と述べた。

 河野俊嗣知事も記者会見で「選手の無念は察するにあまりある。感染防止を徹底していたと聞く。全国的にコロナが急拡大する厳しい状況の中、致し方ない部分がある。ぜひ胸を張って宮崎に帰ってきて欲しい」と述べた。(平塚学)

 ■闘志燃やしていた球児たち

 「選手たちの無念を思うと言葉もない」。八田英二・日本高校野球連盟会長は17日の会見でそう語った。

 宮崎商は選抜の初戦敗退後、「甲子園の借りは甲子園で返す」を合言葉に猛練習を重ね、春夏連続出場を勝ち取った。関西入り後もチーム一丸となり、初戦に向け闘志を燃やしていた。

 この3年間、主将の中村碧人(あおと)君(3年)は毎朝5時に起き、朝練を続けた。捕手の平松諒真君(同)は帰宅後も母にボールを投げさせ、捕球練習に励んだ。西原太一君(同)はプロ野球選手の動画を見て打撃フォームの改善を重ねた。

 智弁和歌山戦に向け、1番打者の若松大雅君(同)は「初打席に何が何でも出塁してみせる」、投手の日高大空(そら)君(同)は「左打者の多い相手打線をツーシームで討ち取る」と語った。

 両目の手術を乗り越えてベンチ入りした代打の宮永雅也君(同)は、中学時代の親友が帽子のつばに書いてくれた「男の約束 ホームラン」の文字を見つつ、「最後のチャンス」に賭けていた。副主将の渡辺龍樹君(同)は不振に悩み、退部届を手にしたこともあった。「チームに迷惑をかけ、母にも心配をかけた。率先して声を出し、気迫では負けない」と誓った。

 雨で初戦の日程が度々延期され、練習メニューも限られた。コロナ対策で不要不急の外出は許されず、選手らは多くの時間を宿舎の個室で静かに過ごした。難しい状況でも、スタメン以外の選手やマネジャーも含めて「甲子園1勝」に向けた気持ちを高めていた。

 不振に悩んでいた中村君は人一倍バットを振り、11日のリモート記者会見では「調子が出てきた。チームの状態もいい」と久々の笑顔を見せた。橋口光朗監督は13日、「甲子園に出られるんだ。雨によるモチベーション低下なんて、ありえない。しっかり最終調整していく」と語っていた。(佐藤修史)

関連記事

アクセスランキング

注目の動画

一覧へ