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北海、帯広農、甲子園の戦いを振り返る

2021年8月18日09時00分

 2年ぶりの開催となった夏の甲子園で、南北海道代表の北海と北北海道代表の帯広農は、ともに15日の初戦で惜しくも敗退した。両チームの戦いぶりを担当記者が振り返る。

 ■北海

 全国最多39回目の出場で、創部120周年の夏。北海は神戸国際大付(兵庫)に1―2で敗れ甲子園に校旗を揚げることはできなかったものの、高校野球最高峰の舞台にふさわしい試合を見せた。

 雨による順延続きで、試合は当初より4日遅れで行われた。調整が難しいようにも思われたが、大津綾也選手(3年)は「関西のテレビ番組が見られて楽しい」。大阪市出身で大の阪神ファンの尾崎大嘉(たいが)選手(同)は室内練習場を使うため連日甲子園球場のバックヤードに出入りできて、「きょろきょろしながら歩いてます」と喜んでいた。

 神戸国際大付には2017年夏に4―5、21年春には2―3で敗れた。出場3大会連続対戦となる、まさに因縁の相手だ。「三度目の正直を」と語る平川敦監督は、終盤が勝負だと話していた。

 試合は序盤に失点。中盤以降は持ち前の堅守で本塁を踏ませなかったが、攻撃で巻き返すことができなかった。春と同じ神戸国際大付の継投策の前に、相手の6安打を上回る9安打を放ったが、ここぞの1本が出なかった。

 自らを「涙もろい」と評し、南北海道大会の決勝後も顔を真っ赤にして泣きながら校歌を歌っていた木村大成投手(3年)だったが、試合後はすがすがしい表情をしていた。「最後まで自分の力を出し切れた。悔いはない」

 チームの軸は間違いなく、この木村投手だった。南北海道大会の決勝では途中降板し、右翼の守備についていた。吉野龍生投手(同)が試合を締め、選手たちは笑顔を咲かせ一度マウンドへ集まったが、宮下朝陽主将(同)を始め、みんなが泣きながら駆け寄って来る木村投手を待ち、迎え入れた。絶対的なエースを中心に戦ってきた、このチームの雰囲気が伝わってくる一幕だった。

 一方で、日常生活ではエースも控えも関係ない。お互いにちゃかし合う仲むつまじい高校生たちだった。プロを目指す選手、進学し野球を続ける選手など進路はさまざま。彼らの今後を遠くから見守りたい。そして、春夏2度の甲子園をベンチやスタンドで見守った次の世代にも期待したい。(川村さくら)

 ■帯広農

 昨年の甲子園交流試合での経験を糧に、39年ぶりの夏の甲子園出場を決めた帯広農。世代最速157キロの風間球打投手を擁する明桜(秋田)に2―4と惜敗したが、最後まで手に汗を握る互角の戦いを見せた。

 四回で降雨ノーゲームとなった12日の試合ではノーヒット。守備では序盤から相手のバントと機動力に揺さぶられ、劣勢の展開に苦しんだ。

 だが、仕切り直しとなった15日の試合では反省点を見事に修正。風間投手の速球対策として、マシンを2、3メートル前に近づけて直球を打ちこんだ成果が出た。

 一回、佐伯柊主将(3年)がチーム初安打の中越え二塁打を放つと打線が奮起。三回に西川健生選手(同)、清水椋太選手(2年)の連打で追いつき、四回には佐藤敦基選手(3年)の適時打で勝ち越した。終盤は風間投手の変化球に抑えられたが、3長打を含む計7安打を放ち、本来の鋭い振りを見せた。

 エースの佐藤大海投手(2年)の投球も素晴らしかった。12日の試合では雨でマウンドがぬかるみ、持ち味の制球が定まらなかったが、この日は緩急差をつけた丁寧な制球で相手を翻弄(ほんろう)。五回に2死から3連打を浴び3失点したが、七回でマウンドを降りるまで凡打の山を築いた。

 順延が続き、調整の難しさもあった。試合は午前8時開始のため、選手は3時半に起床。6時前には球場に到着する生活を送った。宿舎を出発後に中止の連絡を受け、急きょ練習場所の確保に追われるなど、調整やモチベーションの維持に苦慮した面もあった。

 21世紀枠で出場した昨年の交流試合で健大高崎(群馬)を破り、話題を集めてから1年。当時の2年生が今夏の主力となり、再びチームを甲子園に導いた。敗れたものの、随所に連係プレーが光り、全員が気持ちを一つにしてアウトを丁寧に取る姿が印象に残った。

 選手のほとんどが、ここで野球に区切りをつける。試合後、佐伯主将は「悔しいけれど、自分たちらしいプレーができた」と笑顔を見せた。西川選手は「楽しかった。その一言に尽きる」。公立校の生徒たちが甲子園で躍動する姿に、高校野球の原点を感じた。(佐野楓)

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