大阪桐蔭、序盤の3HRで勝利 23年ぶり降雨コールド
(17日、高校野球選手権大会 大阪桐蔭7-4東海大菅生)
激戦区を勝ち上がった注目の強豪対決。大阪桐蔭が、3本の豪快なアーチで主導権を握った。
4番花田旭が口火を切った。一回2死二塁。ひざ元に入ってきたスライダーを芯で捉え、バックスクリーンへと放り込む先制2ラン。この春から4番に座る3年生は、「桐蔭の4番は一振りで流れを変えられる選手」と自身の役目を自覚していた。
続いたのは2番藤原夏暉だ。三回の先頭打席で、ひざ元のスライダーを左翼ポール際に運んだ。勢いは止まらない。2死後、5番前田健伸が高めに浮いたスライダーを打ち返すと、打球は中堅右に吸い込まれた。
3本とも同じ球種を狙った。データ班の分析を受け、西谷浩一監督は「(カウントを)取りに来る変化球を狙え」とチームに指示を出していた。
雨脚が強まるなか、七回に東海大菅生に粘られ、一時は1点差に迫られた。しかし、中軸の勢いに引っ張られるように下位打線も奮起し、23年ぶりの降雨コールドゲームを制した。
大阪大会7試合で87安打70得点。圧倒的な打撃力を誇るチームが初戦で快音を響かせた。6度目の頂点に向け、一歩前進だ。(高橋健人)
■全国高校野球選手権での降雨コールド試合
①第1回(1915年) 準決勝※京都二中1―1和歌山中 九回裏1死
②第14回(28年) 準決勝 松本商(長野)3―0高松中 六回表無死
③第15回(29年) 準決勝 海草中(和歌山)9―4台北一中(台湾) 八回表2死
④第18回(32年) 1回戦 早稲田実(東京)8―1秋田中 七回表2死
⑤第70回(88年) 1回戦 滝川二(兵庫)9―3高田(岩手) 八回裏2死
⑥第75回(93年) 2回戦 鹿児島商工3―0堀越(西東京) 八回表無死
⑦第80回(98年) 1回戦※専大北上(岩手)6―6如水館(広島) 七回裏2死
⑧第103回(2021年) 1回戦 大阪桐蔭7―4東海大菅生(西東京) 八回表1死
※は引き分け再試合に