スポブルアプリをダウンロードしよう

  • Sportsbull Android App
  • Sportsbull iOs App

すべて無料のスポーツニュース&動画アプリの決定版!

QRコードを読み込んでダウンロード

Sportsbull QRCode

周り照らす北海の「太陽」 一度だけ怒った亡き父の教え

2021年8月16日06時50分

 ■北海 中川太陽内野手

 「太陽」という名前は「周りの人を明るく照らしてほしい」と、父が名付けてくれた。

 8年前、小学4年の夏休みだった。祖父が小学校のプールに慌てて迎えに来た。行き先は北海道浦河町の自宅近くの港。漁師だった父範康さん(当時42)が、仕事中に海に転落したと知らされた。父は見つからなかった。

 背が高くて、すごく優しい父だった。「学校楽しいか」「好きな子できたか」。一緒に行ったスーパー銭湯で、話す時間が好きだった。怒られた記憶は事故の1週間ほど前に、母に反抗的な態度をとった時の一度だけ。「人には優しく。悪口は言わないこと」。父の教えは胸に残っている。

 そのせいかどうか、自分より他人を優先してしまう。もっと自分を前に出したい、直したいと思うこともあるけど、それが野球には生きた。

 168センチ、62キロ。長打力もない。だからこそ「つないで仲間を助けたい」と、打撃練習の時間はほとんどバントに費やした。出番に備えて、壁当ても毎日欠かさなかった。コツコツ努力する姿勢が平川監督に認められ、この春に一度失った背番号を、控えの内野手として、取り戻した。

 甲子園の背番号をもらった帰り道、下宿のため離れて暮らす母に電話で報告した。あの日の港で見て以来、涙を見せたことがない母が「よく頑張ったね」と言って泣いていた。

 甲子園では三塁コーチに立った。一度だけ右腕を回して、駆け抜ける仲間を見送ることができた。試合が終わると、笑顔で声をかけて回った。最後まで、周りを照らし続けた。(高岡佐也子)

関連記事

アクセスランキング

注目の動画

一覧へ