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「さすが馬淵監督だなあ」明徳義塾の継投策 高嶋仁の目

2021年8月15日18時26分

朝日新聞DIGITAL

 (15日、高校野球選手権大会 明徳義塾3-2県岐阜商)

 結果的に、明徳義塾の勝因は継投でしょう。

 六回に無死から死球、三塁打で県岐阜商に1点を先行され、なお無死三塁の場面で、先発の代木大和君から吉村優聖歩(ゆうせふ)君にスパッとスイッチしました。

 昨秋の新チーム結成から明徳は代木君を中心に勝ってきたチームです。この日は彼らしい抜群の制球力がなかったとは言え、勇気のいる采配だったと思います。

 しかし、吉村君の投球を見て、さすが馬淵史郎監督だなあ、と舌を巻きました。代木君と同じ左腕でも、吉村君は体を大きくひねって横手から投げる変則フォーム。いきなり打つのは難しいタイプです。実際に遊撃ゴロ2個と見逃し三振で、大ピンチを見事に切り抜けました。

 各選手の性格、その日の調子、相手との相性……。馬淵監督が日ごろから選手をよく見ているからできた継投策だったと感じました。

 明徳義塾はこの回を1点でしのぐと、直後に2点をあげて逆転しました。相手の勢いを止め、最終的に3―2でサヨナラ勝ちです。無失策の守備陣は完璧で、送りバントは1球できっちり決める。「耐えて勝つ」。まさに馬淵監督の信条通りの試合でした。

 県岐阜商の先発左腕の野崎慎裕(のりひろ)投手も素晴らしい投球をしました。左打者の内角を徹底的に突く強気なスタイルで明徳打線を苦しめました。

 打線も八回、「軽打」で同点に追いつきました。後藤耀介君がポーンと当てるような打撃で、中前安打を打って出塁。バントで二塁に進め、松野匠馬君がチョコンとバットを合わせて右前に流し打ちました。

 吉村君のような変則投手に対し、力いっぱいバットを振っては術中にはまります。県岐阜商は鍛治舎巧監督の指導により、2ストライクと追い込まれたら、ノーステップでミートに徹する打法に変えます。松野君のタイムリーが、まさにそうでした。

 ただ、その後は力んだような打撃も見られました。早いボールカウントからノーステップ打法を徹底するという手もあったかもしれません。(前・智弁和歌山監督)

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