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三重高「愛」が止まらない 応援部OB、追っかけ30年

2021年8月15日13時33分 朝日新聞デジタル

 夏の甲子園に7年ぶりに出場している三重。地元で「三重高(みえこう)」の呼び名で親しまれる硬式野球部を、ひときわ強いまなざしで応援し続けてきた男性がいる。三重高が好きすぎて、自腹で応援グッズを作ったり、県外での練習試合も観戦したり。男性はいま、7年前に甲子園に忘れてきた「優勝」を願っている。

 津市美杉町の地方公務員、芝山弘行さん(49)は三重高校応援部OB。自他共に認める三重高の熱烈なファンで、追っかけ歴は30年以上に及ぶ。

 芝山さんは仕事が許す限り、春・夏・秋の公式戦はもちろん、県外高校との練習試合にも足を運ぶ。観戦時は三重高ファンの仲間たちに向け、通信アプリで戦況を実況。試合前の駐車場の混み具合さえも「実況」するほどだ。

 試合以外の日も、三重高をひと目見て、野球部を応援する気持ちを届けたい。そんな思いから、自宅から車で往復約2時間かけて、学校付近の自動販売機までジュースを買いに行ったり、周辺を散歩やジョギングしたりする。仕事が早く終われば、学校を経由して帰宅することも。一方で、部員に声をかけることはなく、「一線を引いている」(芝山さん)という。

 芝山さんの三重高「愛」の原点は、1990年春の選抜大会にある。

 1回戦の神戸弘陵戦。0―3で九回を迎えた三重高は、振り逃げでの出塁などの後、3点本塁打が飛び出し、土壇場で追いついた。延長十一回に勝ち越し、逆転勝ちをおさめた。

 応援部員として学ランをまとい、三塁側アルプススタンドで声を張り上げていた芝山さん。「こんなドラマチックな展開が現実にあるのか」と人生初の甲子園に衝撃を受けた。

 「カキーン」という打球音。ワンプレーごとに「ワー」とあがる歓声。固唾(かたず)をのんで一球一打を見つめる何万人もの目線――。そうした甲子園の一体感が脳裏に焼き付いたという。

 芝山さんの高校時代、三重高は8強に進出した90年春以外に甲子園には出られなかった。3年間応援部を全うした芝山さんは、卒業文集に「最後の打者がアウト。涙があふれた。その充実感は全国優勝にも匹敵する」と記した。

 卒業後も気持ちは高校野球から離れられなかった。「夏は負けたら終わり。そこで信じられないことが起きる。だから、応援がやめられない」

 数年前からは応援部員に使って欲しいと、三重高のロゴ入りタオルやTシャツなどの応援グッズを自腹でつくり、寄贈してきた。今夏も、約十万円をかけて校名入り冷感マスクや冷感タオルを贈った。

 三重高は2014年夏、甲子園決勝で大阪桐蔭に3―4で敗れた。18年春も、準決勝で大阪桐蔭に延長十二回サヨナラ負けを喫した。

 それ以来の甲子園となる三重高に、芝山さんは「今大会こそ大阪桐蔭を倒してほしい。そして優勝。それしかないでしょう」。

 おっとりした口調とは裏腹に、芝山さんのまなざしは三重高の校歌にある「真剣味」そのものだ。(佐々木洋輔)

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